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今週のこの人【この人】

石田誠一さん

  いしだ・せいいち 46年群馬県富岡市生まれ。69年に通産省(当時)に入省し、主に統計畑を歩む。経済産業政策局の統計企画室長を最後に、04年9月から人吉校の校長に就任。妻と長男、次男の家族3人と離れた単身赴任が続く。東京都練馬区の自宅に帰るのは「3カ月に2回のペース」。趣味は釣り、ゴルフ。

  ――人吉校が開校10周年を迎えました。この間の受講生は何人になりましたか。

  今年6月に1万人を超えました。年間800人を目標に、平均1千人弱を集めています。これは中小企業の経営者を対象とした「中小企業者研修」の人数で、他には商工会議所の指導員や自治体職員が対象の「中小企業支援担当者等研修」、将来の起業家を対象とした「新規創業支援研修」があります。昨年からは金融機関の融資・渉外担当が対象の研修も始めました。

  ――人吉校の特色は。

  他校より受講生の地域別の偏りが少ないです。例えば、同じ九州の直方校(福岡県)では、福岡県内の受講生が6割以上を占めます。人吉校は熊本県が4割、宮崎、鹿児島両県が2割、沖縄県からの受講生も1・5割です。南九州3県の県庁所在地から、いずれも高速バスで1時間半で来られる地の利が大きい。離島も含め、地域別の隔たりが少ない点は、全国でも人吉校の大きな特長でしょう。

  ――沖縄のような遠隔地を抱える苦労はどうですか。

  沖縄からの受講生を1・5割としましたが、うち3分の2は、こちらから現地に出かける「出前教室」の受講生です。ただ、沖縄本島・那覇市での開講が中心なので、宮古島のような「離島のさらに離島」から参加してもらうのはまた、難問です。「出前教室」は全国9校の中でも、沖縄を抱える人吉校が先駆けと自負しています。今後も利便性をさらに高めたい。

  ――人吉球磨の企業風土の印象は。

  よく言えば謙虚。悪く言えば欲がない。焼酎を例に挙げると、日本人にとって米焼酎の本場はやっぱり人吉球磨だよ、と思わせるものを生んでほしい。今のままでは、販路を抱えている大手酒造が、米焼酎そのものを売り出したら太刀打ちできません。山に囲まれた地理性にも一因はあるでしょうが、一歩前に出る意欲を望みます。

  ――意識改革の方策は。

  開校から10年が過ぎ、後継者世代の育成がさらに重要になっています。各団体の婦人部や青年部との付き合いを大事に、それぞれの活動に人吉校を利用してもらい、世間で起きた事柄を勉強できる場にしたい。

  また、各地からの受講生と地元を結ぶ機会もつくりたい。例えば、地元の若い人々にお願いし、安心して飲み食いできる店に受講生をガイドしてもらう。そこから知名度の向上や新しい人脈が生まれるかもしれません。

  ――これからの人吉校の展望は。

  運営元が昨年7月、特殊法人(中小企業総合事業団)から独立行政法人に代わったこともあって、各校で一律気味だった講座にも、それぞれの実情や地場産業に合った内容が求められています。地元の声を聞きながら、中央の大手企業の下請けもできる足腰の強い企業を育てたい。

  ――産業基盤としての南九州の可能性は。

  これまでは各県がバラバラに「福岡」と競争し、結局はいいとこ取りをされていた感があります。しかし、九州新幹線や空港、自動車道を生かし、南九州が連携して役割分担を図れば、中央の目が向く産業基盤になる可能性を秘めています。人吉校がそのお手伝いをしたいですね。

  中小企業大学校は、独立行政法人中小企業基盤整備機構が運営する宿泊型の人材育成施設で、全国に9校を置く。人吉校は95年10月、全国9番目、九州2番目の施設として人吉市鬼木町の工業団地の一画に開校した。

  「最も新しいからこそ、過去に縛られず、いろいろトライしたい」と石田校長は語る。その目は構内の景色にも及ぶ。「花が咲く木を増やしたい」。同窓生が毎年、花見で交流できる場所を設けたい、という考えだ。

  人吉校の校長に就いて1年余り。「尿酸値が下がり、健康になった」。酒席で球磨焼酎を飲むことが増えて、ビールの量が減ったためかな、と笑う。

  しかし、東京に戻って大手スーパーや酒屋の棚をのぞくと、各地のいろいろな焼酎が並んでいる中で、球磨焼酎はたった1銘柄しかなかったという。「寂しいよね」と話す口ぶりに、人吉球磨の焼酎蔵元に奮起を促す思いと合わせ、人吉球磨への愛着がにじんでいた。
(秋野 憲志)

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