メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

09月15日朝日新聞デジタル朝刊記事一覧へ(朝5時更新)

新着記事一覧へ

このエントリーをはてなブックマークに追加

今週のこの人【この人】

目黒継美さん

  めぐろ・つぐみ 77年、熊本市生まれ。九州女学院(現ルーテル学院)から東京女子美術短大に進学。在学中にローカルクマリに会うため、インドやネパールを旅した。97年にフランスの専門学校に入学したが、父親が他界し急きょ帰国した。04年に旅行記の出版のために有限会社「インターナショナルフィールド優」を設立。今年、初の著書「クマリ探し〜19歳の自分探し」を出版した。現在まで旅した国は約20カ国。

  ――ネパール仏教で「生き神」を意味し、初潮前の少女が選ばれる「クマリ」。首都カトマンズには国中から崇拝されるクマリがいるのに、田舎の「ローカルクマリ」に会おうと思った理由は。

  テレビ番組でローカルクマリの存在を知った。理屈を超えて、何か瞬間的にひかれた。好奇心旺盛という自分の性格が関係したのかもしれない。テレビを見た翌日には、格安航空券を探していた。

  ――ローカルクマリとは、どんな存在ですか。

  小さな村々にもいる。民家の屋根裏などに住んでいて、地元の人たちが「病気を治してください」などとお祈りに行く。クマリは自分のためにではなく、人々の幸福を祈って暮らしている。

  ――実際に会ってみてどうでしたか。

  独特の「気」のようなものを持つ存在だった。人々のためだけを考え、祈り暮らすことは苦しいことなのではないかと思っていた。でも、実際に会ったクマリの顔は、とても穏やかで苦しみや苦悩とはかけ離れ、みんなに守られて暮らしているのだなと感じた。本人も幸せを感じているように見て取れた。自分には理解し難いことが世界には多くあり、人の幸せはそれぞれだと悟った。

  ――旅を通じて何か自分に変化は。

  生きるうえでの優先順位、人生に対する見方が変わった。インドやネパールでは日常的に人が道路で生き倒れていた。死体を視覚的にとらえているうちに、自分もどんなに頑張っても数十年で同じ姿になると感じた。

  時間が限られているのなら、例えばAとBの選択で迷った時、「いま自分がどうしたいのか」ではなく、「将来おばあさんになった時、どちらが良いのか」というように、将来から自分を見て考えるようになった。それと、旅がますます好きになり、その後も十数カ国を旅した。

  ――苦労も多かった?

  他人から見れば「大変だ」と指摘される経験も多かったのかもしれない。テレビで見たネパールの「パタン」という地名だけメモして旅立ち、パタンに着いて偶然入った食堂でローカルクマリを知っている人に出会った。周りの親切もあり、トントン拍子で会うことができた。

  ――本を出版した理由は。

  学生時代はまったく考えていなかった。ただ、旅を終えて帰国するたび、友人などから「話を聞きたい」と言われても全員に伝え切れなくて、それならば自分から何か発信してみようと思った。自分はアナログな人間でパソコンには疎く、インターネットのブログは無理だと思ったので、本を選んだ。旅行を仕事にしたかったというのもある。

  ――「19歳の自分探し」というサブタイトルに、どんな意味を込めた。

  19歳のころは知っている世界が狭い分、余計に知りたいことが多かった。でも、人はそれぞれ言うことが違うし、哲学書を読んでも内容はそれぞれが違う。結局、出せない答えもあると思う。

  ――今後の活動予定は。

  9月20日に「現代の生き神を探して」との題で講演した。これからも講演活動は続けていきたい。私がそうだったように、テレビや本など外部からの刺激を吸収するうちに好奇心がわいてくるのだと思う。自分もそのような一部になりたい。

  「自分の生きる原動力は好奇心」。世界十数カ国を旅して、見たことや聴いたこと、感じたことなどを、笑みを浮かべながら表現豊かに語る姿に自然と吸い寄せられた。

  目黒さんほど経験は豊富ではないが、私も学生のころバックパックを背負い、安宿に泊まりながら旅して歩いた。共通の趣味を持つ者として、次の旅は気になるところ。旅の大先輩に予定を尋ねると、「飛行機を使わず、陸路と海路で距離感を感じながら世界を一周したい。アジア、欧州、アフリカ……。世界中の民族、歴史、文化、自然など、地球を五感で感じたい」という答えが返ってきた。

  その答えを聞き、学生のころ旅した時の気持ちがよみがえってきた。紛争や貧困、人種、食糧問題など、実際にこの目で見て、肌で雰囲気を感じて、再認識する地域固有の問題や世界共通の問題があるのだと。いまの取材の舞台は日本。だが、海外でも活躍できるような記者になれれば、と思った。(近藤 郷平)

PR情報

ここから広告です

PR注目情報

熊本総局から

「熊本アサヒ・コム」へようこそ! 熊本版に掲載されたトップ記事や話題ものを毎日更新しています。身の回りのニュースや情報、記事の感想を、メールでお寄せください。
メールはこちらから

朝日新聞 熊本総局 公式ツイッター

注目コンテンツ

  • 写真

    【&w】カカドゥの不思議な野鳥たち

    ノーザンテリトリー〈PR〉

  • 写真

    【&TRAVEL】遊び心満載の豪華客船

    船上でサーフィン?〈PR〉

  • 写真

    【&M】TEPPEI×ハマ・オカモト

    自分に合った服装とは?

  • 写真

    【&w】劇場鑑賞券を3組6名様に

    「&w」読者プレゼント

  • 写真

    好書好日旅するように異国料理を作る

    宮崎あおいさん初の料理本

  • 写真

    WEBRONZAカーシェア急拡大

    今日の編集長おすすめ記事

  • 写真

    アエラスタイルマガジンこれぞ手軽な手土産の大本命

    手土産に縁起のよい「虎家喜」

  • 写真

    T JAPAN未来を変えるコスメ 第2回

    全米で話題の「CBDオイル」

  • 写真

    GLOBE+注目は年齢差だけではない

    マクロン大統領夫人の実像

  • 写真

    sippo絶滅の危機に瀕するトラ

    生態は猫とほぼ同じ

  • 働き方・就活

  • 転職情報 朝日求人ウェブ