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今週のこの人【この人】

浜田知明さん(韓国作品展示の版画、彫刻家)

  反戦の版画家。そうレッテルをはられることを嫌う。

  戦後まもなく発表した「初年兵哀歌」シリーズは、確かに見る人に強烈な印象を残す。腹部に棒を突き刺されて死んだ人が画面前方に横たわり、行軍してゆく兵隊たちが後方に小さく描かれているシリーズ中の1枚「風景」は、私も学校の教材で見た記憶がある。

  だが、浜田さんの作品には、ユーモアを交えて社会を風刺した作品も多い。人間のピラミッドの頂上にゴリラが乗っている版画「ボス」や、後ろ手でこっそりわいろを受け取る人を表現したブロンズ像「誰も知らない」もある。

  「初年兵哀歌」でも社会風刺作品でも、共通するのは鋭い人間観察と造形力だ。決して声高ではないが、メッセージ性がある。実際に作品を目にすると、「具象作品の方がテーマがはっきり伝わる」という言葉もうなずける。 (沼田千賀子)

  −−今夏開かれ、浜田さんの「初年兵哀歌」シリーズも展示された韓国・国立現代美術館の展覧会「平和宣言2004」が今月終わりました

  金潤洙(キム・ユン・ス)館長から、展覧会のカタログと一緒に出品のお礼の手紙が日本語で届きました。開催期間は2週間延長したそうです。作品を多くの人に見ていただけたのはうれしい。

  カタログを見ると、具象的な作品が少ないですね。抽象画の中には、絵画として見るといいと思うけれど、なぜこの作品が戦争や平和を表現しているのかわかりにくい作品もあります。具象作品の方がメッセージがストレートに伝わると思い、私はずっと具象作品をつくってきました。

  −−作品が展示されたきっかけは

  金館長が日本に住む知人の美術評論家から、私の作品のことを聞いたそうです。それで、私の作品が展示されている県立美術館に出品依頼があったらしい。

  −−「初年兵哀歌」は戦争がテーマですが、社会全体が戦争に向かっていた時期に「軍国少年」にならなかったのは、なぜですか

  学校や父など周囲が軍国主義をたたき込もうとしたので、逆に反発したんでしょうね。それが本当に正しいのか、といつも疑問に思っていた。若い人にも、学校や親の言うことを〓鵜呑(う・の)みにするのではなく、自分でものを考える姿勢で生きてもらいたい。

  −−軍隊ではずいぶんと殴られたそうですが

  演習がうまくいかなかったり、ちょっとヘマをやったりすると殴られる。ひどいときは、ムシャクシャするからと年下の兵隊を並べて殴る。僕が殴らなかったら、「お前も殴れ」と殴られたこともあります。

  肉体的な苦痛はそのうち慣れますが、自分の思想と違うことを押しつけられたり、考え方を否定されたりするのが一番つらい。軍隊は自分の考えが通じるところではなく、すべて命令で動かなきゃいけない。本も読めない、ものも自分で考えられない。それがきつかった。

  −−最近の彫刻では、人間や社会を風刺した作品が多いですね

  人間を眺めているのが一番おもしろい。このごろ興味を引かれたのは、(米国大統領の)ブッシュさんの傲慢(ごう・まん)さ。自分の言うことが一番正しいと思っている。果たしてそうか、とこちらは思う時もあるのに。「傲慢さ」をテーマに、小さな作品もつくってみました。

  −−1年間にどのくらい作品をつくるのですか

  年に三つか四つほどです。版画はだめなら破ってしまえばいいけれど、彫刻は原型をつくっては壊し、の繰り返し。つくってるのか壊してるのかわからないぐらい。近頃は、原型ができてから1年ぐらい置いておき、それから鋳造しています。

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