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今週のこの人【この人】

有地永遠子さん(「どぅぎゃん」編集長)

  −−人吉球磨地方でタウン誌を出す理由は

  きっかけは99年の熊本国体。経営するデザイン会社でこの地方の観光案内図などの作製を手がけ、名所や歴史、名物料理など様々な情報が集まりました。ところが、地元に住む私も知らないことが結構あった。熊本市や大都市から日常生活に直接関係のない話題はどんどん入ってくるのに、ごく身近な情報は意外に少ない。雑誌にしたら読まれるかなと思いました。

  −−実際の反応は

  00年6月に出した創刊号の販売数は3千部。2千部も売れ残ったので大赤字でしたが、管内の世帯(約3万4千)の1割近くが買ってくれたと考えれば、すごい数字。ニーズはあったということでしょう。その後は在庫が出ないように少しずつ部数を増やし、現在は7、8千部です。

  −−内容の特徴は

  人吉球磨へのこだわりです。グルメに観光、イベント情報、人物や文化の紹介など、すべての企画に地元の人を絡めるよう心がけています。

  例えば、9月の動物愛護週間の企画では、動物の病気や飼育マナーの記事と一緒に、読者とペットの写真をたくさん掲載しました。「あの人が出とったよ」と家族の話題になるような「距離の近さ」が売り物。

  雑誌名は「最近はどうですか」などと尋ねる時に使う方言「どぎゃんね」から取りました。

  −−本業はデザイナーだそうですね

  屋外広告や看板、店舗改装など色々な仕事を手がけましたが、広告会社で求人誌の立ち上げにかかわった経験が雑誌作りに役立っています。とはいえ、創刊時はスタッフも含めて写真や原稿は素人同然だし、なにより営業は未経験。本を置いてくれる店のあてもなく、本屋やコンビニなどを片っ端から回って頼み込みました。

  実は雑誌を出せば会社のPRになり、デザインの仕事が増えるとの狙いもあったんです。考えが甘かった。でも、おかげで色々な人との出会いがあり、誌面作りもすごく楽しい。今では雑誌メーンの会社になってしまいました。

  −−創刊5年目に入りました

  11月号からリニューアルし、サイズをB5判からAB判に、ページ数は5〜6割増の80ページにしました。販売エリアも鹿児島県大口市と宮崎県えびの市にまで広げました。近隣の町で買い物や観光などでこちらに来る人が多く、同じ経済圏内にあると考えたからです。

  −−課題は

  記事に写真、取材方法、レイアウト……。すべてをレベルアップしないと。読者と近い分、「面白かった」などの反応がすぐに編集部に寄せられるから手を抜けません。

  −−今後の目標は

  「都会に進出できたらいいな」とあこがれた時期もありましたが、それでは持ち味が失われると考え直しました。どこの家庭にも何げなく置いてあるような雑誌でありたい。

  読者が「こんなに面白いことがあるんだ」と地元を見直すきっかけになればうれしい。蓄積した資料やデータを生かし、別冊の観光ガイドなども出版したいですね。

  「人吉球磨の人口は10万5千人。話題は人の数だけあるので、永久に続けられますよ」

  ネタ探しの苦労を尋ねると、こんな答えが返ってきた。ふるさとに住み、人と情報に精通する自負心が感じられる。

  最新11月号ではスタッフが上京し、人吉市出身のタレント内村光良さんにインタビューした記事を大きく掲載した。地元の人ならずとも気になる存在なので、思わず手に取った人も多いはず。

  「ミーハーな方が人生は絶対面白い。かしこまらず、気軽に楽しく読める雑誌にしたい」と有地さん。誌面からスタッフも雑誌作りを楽しんでいるのが分かる。読者の目線に立った親近感の持てる内容が人気の秘密なのだろう。

  発行日はスタッフ全員が手分けして書店やコンビニまで本を届け、読者プレゼントもできる限り手渡しし、記事の感想などを聞くという。地元密着をうたうメディアは数多いが、ここまでできるのは、エリアを限定したからだろう。雑誌の存在は地域の文化水準を示すバロメーターでもある。今後もこだわりのある楽しい雑誌を作ってほしい。     (外尾誠)

 ありち・とわこ
 人吉市生まれ。人吉高校を卒業後、福岡市や熊本市などの広告会社に勤務。97年6月に人吉市で独立し、「ぷらんどぅデザイン工房」社を設立した。趣味は映画鑑賞。中1の長女の影響を受け、ジャニーズ事務所の人気グループ「嵐」もお気に入り。

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