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今週のこの人【この人】

加地正隆さん(熊本走ろう会会長)

  −−走るようになったきっかけは

  若い時、ラグビーをしていて、60代のころまで脚力養成のために毎日10キロぐらい走っていた。年を取るとラグビーのプレーができなくなり、走ることだけが残った。それがきっかけ。

  −−マイペースで走る「健康マラソン」という言葉の生みの親と言われますが、競技者ではなかったのですか

  マラソン競技の経験はない。済々黌時代は柔道をしており、現在の久留米大医学部に進学し、足が速いのを見込まれてラグビーに誘われ、とりこになった。私は、今でもラガーマンだと思っている。しかし、マラソンの経験が無かったことが、「健康マラソン」には幸いした面もある。

  −−どういった点で

  昭和47年に「健康マラソン」を広めようと、県内の市町村を回った。当時は「健康」と「マラソン」は全く別のものだったが、「走りよれば、健康になる」と二つを結びつけることができた。

  もう一つは、金栗四三先生。健康マラソンを広めた時、熊本走ろう会もつくった。金栗先生が、箱根駅伝や福岡国際マラソンを創始した偉い人だと知らず、会の指導を頼むことができた。知ってたら、お願いできなかった。

  −−金栗先生は、加地さんからみて、どんな方でした

  普通の好々爺(こう・こう・や)で、日本のマラソン王とは思わなかった。それにあまりしゃべらない人でした。でも、熊本走ろう会のご指導をお願いすると、「おれも、東京におる時は日本の選手を育てるのが仕事だった。しかし熊本に引退して、国民皆走、国民みんなが走る、ということをやろうと思うとった」と快諾してくれた。ぽつ、ぽつと話す人でしたが、「体力、気力、努力」という先生のマラソン哲学が私に染みこんだし、健康マラソンにも伝わった。

  −−健康マラソンを始めたころは、いろいろ大変だったのでは

  40歳以上の「遅いあなたが主役」という考えで、昭和48年に第1回天草パールラインマラソンを始めた時、「マラソンは42・195キロを走るもので、マラソン大会と名乗ってはいけない」と陸連から抗議があった。大会関係者の中に金栗先生の名前があり、結局はなんとか認められたが。

  それと当時は女性ランナーが少なく、第1回大会は、最初の申し込みでは1人だけ。私の娘を参加させ、いろんな人にお願いして、ようよう女子の部ができた。女性ランナーと男子で70歳以上のランナーを掘り起こすのが、金栗先生と走る会の目標だった。今はどっちも、たくさんいる。よくここまで普及できた。

  −−加地さんにとって、走ることとは

  走る時は「健康のため」とは思うとらんです。楽しく、無理せず、マイペースで。速かろうと、遅かろうと、距離が短かろうと、長かろうと、どうでもいいです。特別な道具もいらないし、一人でできる。朝起きて、玄関を出れば、そこが私のコース。普通の人が、走ろうと思えば、いつでもどこでも、走れる。そういったことが、走ること、健康マラソンの魅力です。

  「はぁい、口を大きく開けて〜」

  診察室に張りのある声が響く。91歳とは思えない元気さに驚いた。今でも毎朝3キロほど走るという加地さんいわく「走っとる人は、普通の人より10歳は若い」。なるほど。

  73年に始まり、参加者が延べ12万人を超える天草パールラインマラソン大会。「普段は歩道を走っているけど、車道の真ん中を走ってみたかった」と第1回を振り返る。今では普通になった沿道からの声援も、「当時は初めての経験。うれしかったですな」と顔をほころばせた。

  90歳になったころから、「最近、きついな」と感じることもある。「自分の体を完全に使い切って天国に走り込めば、金栗先生が『ようきた』と迎えてくれる。そしたら、天国走ろう会をつくっとですよ」と豪快に笑い飛ばした。

  大会のスタート時、「さぁいくぞー、みんな帰ってこいよー」と恒例の激励の声を飛ばす加地さん。僕も40歳になって参加資格を得たら、聞きに行こう。

       (渡辺翔太郎)

   かじ・まさたか
  熊本市出身。済々黌卒業後、九州医学専門学校(現・久留米大学医学部)に進学。現在、熊本市の加地耳鼻咽喉科の院長。72年、「健康マラソン」を唱えて熊本走ろう会を結成。ストックホルム五輪(12年)のマラソン代表で日本マラソンの父といわれる故・金栗四三さん(1891〜1983年)の指導を仰ぎながら、73年に天草パールラインマラソン大会(10、20キロ、女子10キロなど)を開き、全国に健康マラソンを広めるきっかけをつくった。県内では三加和、矢部、阿蘇町など各地に広がっている。

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