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06月17日朝日新聞デジタル朝刊記事一覧へ(朝5時更新)

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今週のこの人【この人】

吉田ミカさん

 よしだ・みか 1964年、本渡市出身。トロント大学上級演奏科コースを修了。ニューヨークのカーネギーホールで01年、04年のリサイタルをはじめ、北米や欧州など世界で演奏活動中。「ジャズやクラシックというジャンルを超えた、吉田ミカの音楽を追究したい」と語る。

  このきゃしゃな体の、どこから世界的な活動をするエネルギーが生まれるのだろう。

  音楽から離れたミカさんは、ミカン農家の嫁で、中1女子の母親。ミカン園を栽培する夫の誠さん(43)ら家族の理解のもと、演奏活動中心の生活を送っている。「中途半端な手出しは夫に失礼」とミカン園を手伝うことはしないそうだ。

  家族を大切に思うから拠点は天草。一人娘の麻鈴(まりん)さん(12)も「お母さんにはマリンバしかない」と理解してくれているという。

  ミカさんの今回の舞台は、本渡市民センター。4日間にわたって開かれたアイランド・マジックでは、家族や子どもたちが来やすい企画も盛り込み、出演したアーティストたちの本格的な演奏は最終日とその前日に入れた。

  献身的な企画だったが、ホール使用料は本番もリハーサルも同額。また、単なる興行とも同じ料金だったことが、本渡市議会の一般質問でも取り上げられた。

  公共性の高い催しには使用料金を割り引くなど、支援策を条例に盛り込むような配慮があってもよかったのではないかと思う。(園田裕道)

  ――吉田さんがプロデュースし、世界の一流奏者を招いて5月初めに本渡市で開いた「『アイランド・マジック2005』天草国際アート&ミュージックフェスタ」は、内外から高い評価を受けたと聞きました。

  ああいう企画は赤字に終わるのが相場だが、3万余円の黒字だった。4日間で4400人の来場者。その3分の2は天草以外の人だった。スタッフや協賛企業をはじめ、聴きに来てくれたみなさんのお陰。

  もちろん、私たちの人件費などはゼロで、計算に入っていない。「天草だからできた。東京では絶対にできない企画だった」と専門家にもほめられた。

  ――立案から実行までに相当の苦労があったと思いますが、ミカさんをそこまで突き動かしたものは何ですか?

  天草の人たちはやさしく温かいが、保守的。音楽の世界で言えば、聴き覚えのある歌にはとてもよい反応なのに、初めて出会う歌には心を開かない一面も。過去10年間に、東京の人が聞いたら驚く、すごい演奏家たちが何度も来ているのに、理解してもらえないところがある。

  その壁を打ち破れないものか。せめて考え方の柔らかい若い人たちに、生の音楽のすばらしさを感じてもらいたい、と考えたのが動機。

  世界を回ると、欧州や北米では、ほとんど知られていない小さな町で魅力的な音楽会が定期的に開かれている。天草もそうなったらいいな、という思いもある。

  ――世界の奏者たちの目に、天草はどう映っているのでしょうか。

  彼らは、10年前から日本にも天草にも何度も来ているが、演奏の場以外で一般人と触れ合う機会はまず、ない。天草の私の友人・知人と接する機会は、他では味わえない一般人との交流。今回初めて天草を訪れたクラリネット奏者のストルツマンは「天草は私のハート」と言って帰った。

  ――吉田さん自身も世界で活躍されていますが、マリンバ演奏を始めたいきさつは。

  3歳のころから叔母の指導でピアノを習っていた。練習は、しぶしぶだった。それが、中学入学でドラムを知り、より自由に演奏できる打楽器にひかれた。

  中学、高校と、部活は吹奏楽で、受け持ったのはドラムだった。熊本音楽短期大(現・平成音楽大の前身)に進み、そこでマリンバに出会った。ピアノとドラムを合わせたような、1人でも演奏できるアフリカ生まれの楽器のとりこになった。

  27歳で結婚後、東京で聴いたカナダ在住の打楽器グループ・ネクサスの演奏に感動。「この人たちに習いたい」とメンバーに手紙を送ったところ、迎えられて、(活動拠点の)トロントに1カ月滞在。のちにトロント大で1年間学ぶことにつながった。あの1年があって今の私がある。

  ――アイランド・マジックの将来は。

  1回目を実行して運営上のコツが分かったので、次はこの経験を生かした、より魅力的な企画にしたい。だけど、マンネリ化を避けるためにも、毎年開催ではなく、1年おきくらいで続けていければなあと考えている。

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