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今週のこの人【この人】

吉井正澄さん

  よしい・まさずみ 31年、旧久木野村(現水俣市)生まれ。75年から市議5期を務め、議長を2回経験。水俣市長を94年から2期務めた。水俣病で疲弊し、ばらばらになった市民のきずなを取り戻す「もやい直し」を提唱、市民の融和、地域再生に努めた。

  「離礁 水俣病対策に取り組んで」「市長の雑記帖 愛しています水俣」など著書4冊。共著、対談集もある。地方政治家で、これだけの著書gある人は珍しい。

  最初の著書「議員人生あれこれ」は水俣市議になって以後の議会報告を中心にまとめた。市政や市議会の動きを定期的に報告するというのが市議選に立候補したときの公約だったという。

  読んで感じるのは、自分の言葉で書いているということ。借り物の意見や知識ではなく、体験を元にして自分で考え抜いた言葉なので、わかりやすい。説得力がある。

  有権者にわかりやすく政治理念や信条、政治的課題についての自分の考えを伝える。そんな「説明責任」は、政治家にとって当たり前のはずだ。

  しかし、最近耳にすることが多いのは、説明というよりも言い訳、言い逃れ、論理のすり替えのたぐい。聞けば聞くほどむなしい。
 政治への不信はこんな点からも芽生えてくる。(宮田富士男)

  ――水俣病問題を検証し、今後の施策に生かすための、小池環境相の私的懇談会「水俣病問題に係る懇談会」(有馬朗人座長)が5月に発足した。その委員として、懇談会の役割をどうとらえているのか。

  期待する声と「あれではだめだ」という声を聞く。水俣病の半世紀に及ぶ歴史は混乱と矛盾に満ちている。懇談会が何らかの問題を解決するものではない。事件の反省をはじめとしていろいろな課題に取り組みたい。水俣病に対する国の、特に旧通産、旧厚生省の対応について、ただすべき点はただしていく。

  ――94年の水俣病犠牲者の慰霊式で、それまでの水俣病対策について、水俣市長として初めて公式に被害者に謝罪した。
 加害者であるチッソをつぶさないようにすることで、被害者の救済が遅れた。市は市民の生命、財産、利益の擁護を第一に考えるべきで、チッソよりも市民に軸足を置くべきだと考えた。

  謝罪はいわば国や県を批判することで、相当な反発を覚悟した。あらかじめ式辞の内容を国や被害者団体と調整した。それこそ何度もやりとりした末に、内容が固まった。それで複数の団体がその年の慰霊式に参加してくれた。

  ――謝罪が95年の政治解決に向けた第一歩になったのか。

  被害者団体との会話がなければ、水俣病の解決はあり得ない。当時、団体と市との関係は最悪だった。団体側が態度を軟化させるとは思えない。それなら市が先に変わらなければと考えた。

  ――政治解決には、チッソ救済の意味合いもあったのか。

  チッソの経営は苦しかった。水俣病被害者への補償がどれだけ増えるのか、見通しが立たず、再建計画を立てようがない状態だった。被害者救済策をまとめることは補償額の確定につながり、チッソ再建にもつながると思った。

  ――6月の懇談会では、小泉首相の水俣病患者への謝罪を求めた。

  謝罪には誰がやるのか、その内容とタイミングが大事。謝罪が不徹底だと、いつまでも「謝罪しろ」「もうしない」という不毛な論争になる。

  水俣病の被害拡大に国、県の責任があるとした関西訴訟最高裁判決が出たとき、小泉首相が謝罪する絶好の機会だった。それを逃した以上、水俣病公式確認から50年になる来年5月1日の慰霊式でやるしかない。

  ――胎児性患者の救済が大きな課題になっている。

  面倒を見てきた親の高齢化が進んでおり、世話をできなくなったとき、どうするのか。彼らに生きがいを感じてもらえるような、「水俣に生まれてきてよかった」と思えるような施策が必要だ。

  ――昨年10月に関西訴訟最高裁判決が出てから、認定申請者が急増し、熊本、鹿児島両県で2700人を超えた。水俣病問題の根本的な解決は可能なのか。

  これまでの対策は矛盾だらけ。理路整然とした解決は難しいと思う。まず水俣病とはどんな病気なのかという病像を確定させることが基本。新たな知見が個別に発表されているが、全体的に見ると混沌(こん・とん)としている。専門家が集まって論議し、一定の着地点を見いだすことが必要ではないか。それが専門家の責務だろう。

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