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うちのイチ押し【火の国をゆく】

熊本市・立田山憩いの森

写真:「お祭り広場」には芝生が広がる。アスレチックもあり、休日は家族連れなどでにぎわう=立田山憩いの森で 拡大「お祭り広場」には芝生が広がる。アスレチックもあり、休日は家族連れなどでにぎわう=立田山憩いの森で

 「あんとき開発されたらどぎゃんなったかわからんね」

 30年以上前、熊本市の北部にある立田山を守るために立ち上がった一人、熊本市黒髪6丁目の無職丸山三郎さん(81)は振り返る。開発に揺れた立田山は住民の運動がきっかけで、約半分が「立田山憩の森」として残された。現在、自然観察などで多くの人が訪れる。

(金子元希)

 対向車とやっとすれ違う道を抜けると、「お祭り広場」の芝生が広がる。「立田山憩の森」は面積150・42ヘクタール。遊歩道が整備され、管理センターには職員が常駐し、清掃などを行っている。

 「夏の森」などと名付けられた森はコナラの緑が映える。耳を澄ますとウグイスのさえずりが聞こえる。池ではトンボが軽やかに舞う。

 70年代前半、その立田山を長崎県の業者が開発するという情報が、丸山さんら黒髪地区の住民に入った。すぐに立田山を守る住民の会を結成した。「熊本市や県に陳情した。長崎県まで出向いて業者に直談判もした」
 願いは通じた。74年、林野庁が国庫補助事業として保安林買い入れ事業を創設。それに合わせ、県と市による立田山の買い入れが始まった。

 買い入れと同時に、生活環境保全林としての整備事業も始まった。自然林の造成、広場の整備などが進められた。そして95年、「立田山憩の森」は20年以上をかけて完成した。総事業費は70億円を超えた。

 「50年前までは人が住んでいたが、その後山は荒れた。きれいになり、利用しやすくなった」と立田山の西側の同市清水万石2丁目、無職武田学さん(66)は話す。

 環境カウンセラー小林修さん(55)は「立田山の緑が、西の金峰山から続く動物の生育域を残した。これが生態系を維持している」と分析する。

 立田山を15年以上観察する自然観察指導員・中島岩雄さん(51)は「最近は虫や動物が増えた。キツネも確認され、動物のオアシスだ」。

 一方、課題もある。憩の森を管理する市緑保全課の早川善朗課長は「放置自動車が多い。防止条例の制定で多少減ったが、景観を壊している」。

 管理センター職員の本田龍也さん(61)は「ゴミが多くて片づけ切れない。利用者はマナーを守ってほしい」と訴える。

 将来の立田山を見据え、再度住民の力を求める声もある。「雑草狩りや清掃などのボランティアが出てきてほしい」と県森林整備課みどり推進室の續健一・主任技師は話す。

 「たったやま(立田山)はみ−んなの力があって残った。(市街地の)どまん中にあるこんなよか所はなかよね」

 そう話す丸山さんの顔は笑顔でくしゃくしゃになった。

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