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09月19日朝日新聞デジタル朝刊記事一覧へ(朝5時更新)

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うちのイチ押し【火の国をゆく】

日本一長い石段

写真:「日本一の石段」登り口=中央町坂本で 拡大「日本一の石段」登り口=中央町坂本で

  「西の高野山」と呼ばれる泉村の釈迦院。お隣の中央町にある表参道の石段は合計で3333段あり、町によると「日本一長い石段」という。いったい、どのような経緯でつくられたのか。運動不足の解消も目指し、Tシャツに短パン姿で「日本一の石段」を訪ねた。

     (近藤 郷平)

  熊本市から車で約1時間。石段のある中央町は文字通り県央部にある。山に囲まれた丘陵地帯だ。石段頂上からさらに1・5キロ山道を登ると、泉村の釈迦院に着く。九州での仏教布教の中心的役割を果たしたとされ、1200年の歴史があるという。

  釈迦院への山道は「御坂」と呼ばれ、昔から多くの参拝者が通った。だが、由緒ある山道も戦後、参拝する人が減り、獣道のように荒れ果てた。約30年前、当時の中央町長の市川昭吉さん(72)は「誇りを持って故郷自慢ができるものを」と考え、「日本一の石段作り」に取り組み始めた。

  石段は着工から約10年かけ、87年に完成。標高差は約600メートルで、全長は約3キロ。天気のよい日は、石段の頂上付近から遠く不知火海が見渡せるという。

  19日早朝。「日本一石段登ろう会」の吉村龍朗会長(64)と、石段の頂上を目指した。登り口近くには「日本一の石段」と彫られた石碑がある。登りきることができるだろうか。

  不安はすぐに的中した。200段目辺りから太ももの筋肉が張り始めた。「自分のペースで登ってください」。吉村さんの言葉が身に染みる。

  汗が滝のように流れる。500段目到達時には、Tシャツがびしょぬれだった。百段ごとに、段数が石段に刻み込まれている。「まだ千段か。引き返したら楽だろうな」。葛藤(かっ・とう)が続く。

  石段沿いに地蔵を何度も見た。市川さんによると、「明治時代の末に地元の人の寄付でつくられた」という。当時の人が、足元の悪い山道を登り、参拝していた様子が目に浮かぶ。

  登るにつれ、百段が次第に長く感じられてくる。韓国やインドなど、世界各国の御影石も使用されているという。だが、楽しむ心の余裕はない。

  吉村さんが「マラソンで言えば2700段付近は40キロ地点。最後の頑張りどころ」と励ましてくれる。約1時間後、ふらふらになりながら3333段目に到着した。太ももがパンパンに張っていた。

  この日は朝から雨模様で、眺望がよくないのが残念だった。復路は、震えるひざと格闘しながら、約30分で下った。

  「心身共に鍛えることができる」。吉村さんは石段の魅力をそう語る。登り口付近まで降りたとき、地面に突き立てられた木札を見つけた。風雨にさらされ、字は読めない。吉村さんによると、「忍耐の心育む御坂ざか」と書かれていたそうだ。その通り、と納得した。

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