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10月23日朝日新聞デジタル朝刊記事一覧へ(朝5時更新)

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独眼流

縄文の島にかかった「虹」

 宮城県に住み、1年8カ月がたった。一番のお気に入りの場所は、東松島市にある宮戸島だ。

 多くの知人や友人に「転勤で各地を回ったが、こんなてらいのない場所はなかなかない。島の民宿に泊まれば、朝取りの驚くほど新鮮な魚料理が、これでもかというほど並ぶ」と薦めている。

 かつて縄文人の集落があり、ほぼ当時の形のまま残る島には、長い年月の荒波で造られた海食崖や奇岩があちこちにある。石庭で有名な、京都の龍安寺があるが、この島に来ると、そんなちんまい箱庭ではなく、島全体が大きな歴史博物館のような錯覚にとらわれる。へんに観光地化していないところが特にいい。

 その宮戸島の海辺に、東京の映画監督が中心になってポストを置き、各地から手紙を募る「水曜日郵便局」という取り組みを1年、続けた。誰かが書いて投函(とうかん)した手紙を、別の誰かのもとに届けた。全国から5千通を超えたという。

 ポストが閉じられた5日、その遠山昇司監督(34)が島を訪れ、こう語っていた。「この取り組みは、空に浮かぶ虹のようなもの。半円を描いているので、場所はわからないけれども、どこかと、どこかをつないでいる。虹が消えても、みんな悲しくはならない。虹がまた現れることを知っているから」

 いい話だなと思った。手紙を書くことで、知らない他人とつながる。明かりを見いだし、失意から脱した人が、きっと何人もいたのだろうと思わずにいられない。(岡本進)

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