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独眼流

救えなかった申し訳なさ、行方は

 震災で被災した女性が搬送先の病院で死亡したのは、病院の不十分な対応が原因だとして、遺族が病院に損害賠償を求めて提訴した。病院側が開いた記者会見で、院長は多くのカメラを前に、記者の目をまっすぐ見ながら質問に応じていた。

 遺族側が「病院側が女性を漫然と放置した」と指摘していることに質問が及ぶと、とたんに院長の声が震えた。「『救いたくても救えない』と泣く職員もいました」

 院長も震災当時は現場の医師だった。次々とやってくる患者を救いたいと、医療資源をかき集め、限られた中で必死に処置にあたった一人だったそうだ。あの日、救いたくても救えない状況だった。それを「病院側の怠慢だ」と言われ、理解してもらえなかった――。院長は「悲しいです」と目をうるませた。

 昨年、沿岸部を取材していて知り合った女性は、「『被災者』と構えず、津波って言っていいんだよ」と笑った。津波で家を失い、一家は7年経って小さな災害公営住宅に入った。ふだんは明るい女性も、近くに住んでいた友人について尋ねると、ふと遠い目をする。「津波が来て助けられなかったんだ。申し訳ねえって今でも思う」

 震災を経験した人は、みな心のどこかに、救えなかった人への申し訳なさを持っているように思う。司法の場で、そんな思いがぶつかり合うべきなのだろうか。裁判の行方を最後まで見守り、答えを探していきたい。(窪小谷菜月)

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