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10月23日朝日新聞デジタル朝刊記事一覧へ(朝5時更新)

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独眼流

民俗芸能継承、復興の尺度

 岩手、宮城、福島の沿岸を回り、震災による困難を乗り越えながら活動する民俗芸能を取材している。

 2月半ば、岩手県宮古市を拠点とする「黒森神楽」の巡行に同行させてもらった。同県山田町の集落を午前中に訪ねると、家々を回る「門打(かどう)ち」の最中だった。玄関先などで太鼓や笛、手平鉦(てびらがね)の音に合わせ、2体の獅子頭が舞う。保存会の松本文雄会長(70)は「皆さん、門打ちの日は家で待っているのです」と話す。

 神社の神霊を移した獅子頭に、何を願うかは様々だ。家内安全や無病息災はもちろん、漁業なら大漁祈願や航海安全、災いを避けるなら悪魔払い、死者の鎮魂なら供養となる。

 午後からの神楽は、「神楽宿」と呼ばれる集落の民家の座敷が舞台となる。演目は約4時間の長丁場だが、舞踊や歌はもちろん、曲芸や笑い、観客との掛け合いなど多彩な要素があり、飽きさせない。

 ホールで鑑賞すると、舞踊など技術的な面に目がいくが、集落に入ると、神楽は年始めに浜の人々のいろんな祈りを引き受ける「神様」であり、娯楽のスター集団だと気づく。

 一方で、原発事故の影響で今も集落で披露できない団体もある。福島県浪江町の「南津島の田植踊」は2月、同県南相馬市のホールであった発表会に出演した。「帰還困難区域」に指定され、ふるさとでは舞えない。それでも本来は男性だけの踊りに女性も加えて継承を続ける。民俗芸能の再興ぶりは、コミュニティーの復興の尺度である、と感じた。(高橋昌宏)

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