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東北見聞録【みちのくワイド】

広がるAI 関連ビジネス、東北で次々誕生

写真:画面上の物体を囲むアノテーション作業に取り組む通所者(画像は一部加工しています)=青森県八戸市 拡大画面上の物体を囲むアノテーション作業に取り組む通所者(画像は一部加工しています)=青森県八戸市

写真:タラの白子と魚卵の模型に装置をあてると音声などで雌雄を教える=仙台市宮城野区 拡大タラの白子と魚卵の模型に装置をあてると音声などで雌雄を教える=仙台市宮城野区

  人間のような自然な翻訳をしたり、古ぼけた写真を鮮やかに再現したり――。AI(人工知能)の技術に触れる場面が日常生活で増えてきた。東北でも関連ビジネスが次々と生まれている。

 ■障害者就労に

 AIと聞くと「人間を超える知能」「仕事を奪う」などのイメージを抱きがち。コンピューターが人間を支配するSF映画もある。だが、AIは人間の「手作業」から生み出される側面もある。

 障害者の就労を支援する青森県八戸市の「はちのへ東奥朝日ソリューション」。室内に並んだパソコンに通所者が向き合い、手を動かす。画面に映る木や自動車などの物体をマウスを動かしながらクリックして囲む「アノテーション」と呼ばれる作業だ。

 人は猫を見て「あれは猫だ」と思うが、それは猫が何かを経験で知っているからだ。コンピューターに「画像が何か」を「理解」させるにも、学習が必要になる。

 通所者は画像から木の部分を抜き出し、それに「木」とラベル付けすることで、コンピューターが学ぶデータを作る。1枚の画像だけで150個以上の物体を囲むこともあり、根気が求められる。

 通所者の多くは、うつなど心の病気を抱えるという。「銀行員、学校の先生。履歴書を見るとびっくりするが、この作業ならモチベーションをもって取り組める」と、亀橋進社長は話す。昨年、作業拠点を二つ増やした。「仕事量は無限にある」

 AIの中核には「機械学習」という仕組みがある。コンピューターが大量のデータを学び、求める結果の精度を上げていく。普通のプログラミングと違い、学習次第で結果が変わる。

 ■質問を数値化

 「AIのプログラミングは化学の実験」。秋田市のソフトウェア開発「フォームズ」の小笠原貴史社長(45)は、そう表現する。機械学習には様々な技術やモデルがあり、何と何を組み合わせるかで結果が変わってくる。最適な組み合わせを探すエンジニアは、液体の温度や濃度を操作する化学者に似ている。

 同社は国内最大規模の問い合わせフォームを運営しており、迷惑メールを判別するAIを作った。「競合相手はグーグルやマイクロソフト」。危機感が開発の原動力だ。

 開発に協力した秋田県立大の堂坂浩二教授(58)は東大合格を目指すAI「東ロボくん」の開発に携わった言語処理の専門家。今は別会社と、生活保護行政に関わる自治体職員向けのシステムを構築中だ。どんな条件なら生活保護を認めてよいか。経験の少ない職員が現場で疑問にぶつかる時、画面に質問すると関連法規を提示できるようにする。システム内で職員の質問は数百次元のベクトルに数値化され、事前に用意した質問と答えのセットのうち、最も数値が近い答えを表示する。

 コンピューターが人間のように質問を理解し回答するわけではないが、画面上ではベテラン職員が瞬時に答えたように見えるだろう。「『理解』とはなにか。機械が人間と同じように理解する必要があるか。やって欲しい仕事を高性能でできるなら、人間とイコールである必要はない」

 一次産業の現場にも、AIは登場している。タラは白子がある雄が雌より高く売れるが区別が難しい。仙台市のシステム開発「東杜シーテック」は、簡単に雌雄を判別できる「スマートエコー」を商品化した。魚の表面から超音波で内部画像を取得。AIがその画像を判別し、「しらこ(雄)」、「ぎょらん(雌)」と音声で知らせる。

 同社はエンジニアを1年や半年、東北大に送り出し、最新の知見を学ばせてきた。装置はその成果だ。本田光正代表取締役(60)は「AIはあいまいなものを分類し、応用分野が広がる」。扱えるエンジニアを増やし、さらなる商品開発をめざしている。(曽田幹東)

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