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2012年04月05日
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ゆの詩 

【ゆの詩】

松代温泉公民館 長野市

写真:温泉があるようには見えない外観 拡大温泉があるようには見えない外観

写真:お湯はぬるめだが、湯冷めしにくいという 拡大お湯はぬるめだが、湯冷めしにくいという

写真: 拡大

芯まで温まる地元の財産

 温泉付きの公民館――。そんな一風変わったシチュエーションに引かれて、松代温泉公民館を訪ねた。

 お風呂場や脱衣所は、お世辞にも広いとは言えない。あると思っていたシャンプーやせっけんがなくて戸惑っていると、左隣でシャワーを使っていた女性が「良かったら使って」とタオルまでくれた。さらに右隣からは「さっと体を流したら、まずはお湯につかった方がいいわよ」の声。

 シャワーを軽く浴びて湯船につかる。すると、1人がおもむろに浴槽から飛び出し、仲間の背中を流し始めた。驚き顔の私に、常連さんが「ここでは、これが普通。お互いの背中を流しながら、出たり入ったりして、1時間くらい長居するの」と解説してくれた。

 お漬物の漬け方から山菜採りの穴場まで、おしゃべりは尽きることがない。さながら井戸端会議が、お湯の中で展開されているようだ。あまりにも盛り上がり過ぎて、隣の男湯から「うるさい」と一喝されることも。そんな時は、男湯と女湯を隔てる壁の向こうに、お湯を投げて応戦する。

 昔ながらの銭湯のような風景。お湯は国民宿舎「松代荘」などと同じものだが、そんな雰囲気が気に入り、あえて松代温泉公民館に通って来る人が多い。

 公民館ができたのは1978年。その数年後から、温泉のお湯を張り始めた。もともとは地元住民のための施設。掃除も住民が交代で担当している。地区には約300戸あるが、「みんな一度は入ったことがある、地元の財産です」と小池皓区長(68)。地区で温泉を担当する川合由夫さん(64)は、自身も毎日のように利用しているといい、「塩化物泉なので、湯冷めしません」と胸を張る。

 商業目的ではないので宣伝はしていないが、人気は口コミで広まり、今では年間2万人強の客のうち6割が地域外からだという。

 井戸端会議が続く浴場では、常連さんが一見の私の背中まで流してくれた。幼い時、両親にしてもらって以来。「こんなに気持ちよかったっけ」と感じ入り、体の芯までぬくもった。(二階堂友紀)

        *

住 所 長野市松代温泉151の2
電 話 026・278・7755
料 金 子ども(小学生未満)50円、大人250円。午後2時半〜同8時半。休みは原則として、お正月の三が日のみ。地域外の人でも同じ値段で利用できる。備え付けのシャンプーなどはない。

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