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Okayamaでともに

3.夜の街/留学生「夜働くしか」

写真:クラブでボーイとして働く中国人留学生のワンさん。流暢(りゅうちょう)な日本語で丁寧に接客し、お客さんからも人気があるという=岡山市 拡大クラブでボーイとして働く中国人留学生のワンさん。流暢(りゅうちょう)な日本語で丁寧に接客し、お客さんからも人気があるという=岡山市

■短時間で高賃金「魅力的」

 「夜の街」でも外国人は欠かせない戦力になっている。岡山市内の繁華街のクラブ。3月上旬の夜、薄暗い店内でスーツ姿の男性が客を席に案内していた。接客中のホステスから「ボーイさん!」と声が飛ぶ。男性は現金を渡されると、レジで会計処理をした。

 男性は県内の大学に通う中国人留学生のワンさん(仮名)。約2年前からこのクラブで働いている。「岡山で今の生活ができるのは雇ってくれたママのおかげ。ここがないと生活は成り立たない」と話す。

 大学を卒業後に中国で企業に就職したが、「日本に住みたい」との思いが捨てきれずに来日。日本で大学に通い始めたが、学費や生活費など年間約200万円が必要だった。岡山市内のラーメン店で深夜のアルバイトを続けていたところ、知り合いの中国人から「クラブでボーイを募集している」と聞いた。

 「留学」の在留資格で来日している外国人は「夜の街」で働くことはできない。警察の取り締まりを受ける可能性もあるが、ラーメン店よりも短時間で高いバイト代をもらえることが魅力的だった。

 将来的には日本で就職しようと思っているというワンさん。「警察にばれるかもしれないという不安はずっとある。でも、お金の問題が一番。人間として悪いことをしていないという思いもあります」

 このクラブにはもう一人、中国人留学生がいる。ホステスのれいなさん(仮名)は県内の大学に通いながら深夜まで働く。中国の大学を卒業後、「ステップアップしたい。日本にはたくさんチャンスがある」と考えて来日。大学の授業料や生活費を賄うには両親からの仕送りだけでは足りないため、約5年前からこのクラブで働く。

 同じ大学の留学生たちはコンビニやスーパーで朝までアルバイトをして、寝ずに授業に来る。「自分にはそんな生活は無理」とれいなさん。友人や家族に内緒で夜の仕事を続ける。「平日は毎日学校があって、土日だけ働いても給料が少ない。夜働くしかない」

 このクラブのママによると岡山の繁華街で働く留学生は少なくないという。ベトナム人や韓国人を雇ったこともあるが、「外国人の女の子は毎日出てくれるし、真面目に仕事をしてくれる」。人手不足は深刻だといい、「外国人労働者を増やすなら夜の街での労働も認めてほしい」と話す。

 ■風俗営業、バイト禁止

 深夜のコンビニや飲食店などで外国人の従業員の姿を見ることが多くなった。その大部分は、日本の専門学校や大学に通う留学生とみられる。

 「留学」の在留資格で来日した外国人が、アルバイトをする際は入国管理局から「資格外活動」の許可を得なければならない。ただ、出入国管理法(入管法)施行規則は、留学生が風俗営業法で「風俗営業」の対象となる店で働くことを認めていない。「風俗営業」はクラブやマージャン店、パチンコ店などが対象となる。

 なぜ、留学生は風俗営業店で働けないのか。

 入国管理局などによると、留学生のアルバイトは1983年に本格的に解禁されたが、少なくとも99年には風俗営業店で働くことを認めない運用になっていたという。その後も入管法の改正が繰り返されたがその点は変わらなかった。

 入国管理局の担当者は「『外国人はなぜパチンコ店でアルバイトできないのか』などと聞かれることはあるが、立法の趣旨はわからない」と話す。

 入管法や外国人労働者の受け入れに詳しい山脇康嗣弁護士は「留学ビザである以上はきちんと勉学に励むことが求められる。例外としてどこまで広げ、特に風俗営業まで認めるかということは特殊な配慮が必要だ」と指摘する。

 山脇弁護士は(1)夜間に酒を飲むことが多い業態で勉学との両立が難しい(2)言葉が不十分な側面があり、不正や犯罪に巻き込まれる恐れが否定できない、などといった理由から「現状では風俗営業を留学生に解禁するのは社会通念上相当ではないと思う」と述べる。

 ただ、訪日外国人を対象にした国の「ナイトタイムエコノミー」(夜の経済・文化活動の振興)の推進やカジノ解禁の流れの中、山脇弁護士は「社会通念は時代とともに変わる。『夜の店』の担い手を在留資格の特定活動として認めるなど、外国人の在留資格をどのようにしていくかは議論になってもいいとは思う。必要性や社会的弊害が発生しないかどうかも含め、国民的な議論が必要だ」と話している。(村上友里)

 

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