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宮古、石垣で野生化したクジャクが大繁殖

 沖縄県の宮古・八重山地方で、ある鳥が野生化して手がつけられないほどに増えている。優美な姿と裏腹に、何でも食べる大食漢。沖縄固有の小動物の存在を危うくしている。正体は−−クジャクだ。(谷津憲郎)

 早朝の宮古島。地元の写真家、金子進さんと平良市郊外の山林を歩いた。

 いた。独特の冠のシルエット。30メートルほど先の松の枝に5羽の親子連れだ。青緑色の羽をビロードのように光らせ、林の中に姿を消した。

 「キラキラする変わった鳥がいる」と宮古島でうわさが流れたのは、5年ほど前。まさかクジャクとは誰も思わず、なかなか正体がつかめなかった。「鳴き声はネコにそっくり。でもネコにしては声が大きすぎると、不思議がっていた」と宮古野鳥の会の砂川友弘さんは振り返る。

 環境省と県が昨年度、宮古・八重山地方で実態調査をしたところ、とんでもない結果が出た。

 宮古島では約40羽が確認された。だが、それ以外にも石垣島(約90羽)、小浜島(約400羽)、黒島(約50羽)、伊良部島(数羽)、新城島(約25羽)とほとんどの島で見つかった。卵やヒナも目撃されており、繁殖しているのは確実だ。

「小浜島のクジャクは、東京のカラスみたいな存在。行けば必ず声が聞こえる」と環境省沖縄地区自然保護事務所(那覇市)。「東洋のガラパゴス」とも言われる西表島にも、隣の小浜島から飛んでくることがあるという。

 繁殖しているのはインドクジャク。インドやスリランカが原産地で、もともとは沖縄にいない。いったいどこから来たのか。しかも宮古島と石垣島の間は約130キロもある。東京−静岡間や福岡−対馬間とほぼ同じだ。こんなに長い距離をクジャクは飛べない。どうやって広がったのか。

 原因は人間だった。

 79年ごろ、小浜島のリゾートホテルが観光サービスのために放し飼いにしたものが、島内全域に広がって増殖。もてあましたホテルが各地の小学校などへ贈ったところ、今度は飼育小屋が台風で壊れたりして、逃げ出した。

「お客さまの目を楽しませるためだったが、持ち込んだ責任がある。企業のあり方が問われかねない」とホテル側も03年に小浜島で約400羽を駆除したが、追いつかない。

 クジャクの寿命は20〜30年と長く、野菜にトカゲ、カタツムリなど何でも食べる。いまや「第2のマングース」となり、島の生態系を脅かしている。

 宮古島の夜。クジャクに出会った山林を歩くと、鮮やかな黄緑色の小さな光がふわふわと舞った。宮古固有種のミヤコマドボタルだ。しかし地元の住民は「最近、数が減った」と口をそろえる。幼虫の餌となるカタツムリが、クジャクに食べられた結果だという。

 石垣島でも、環境省が聞き取り調査したところ、国指定の天然記念物キシノウエトカゲが少なくなったという声が上がっている。クジャクのひなを襲うカラスも少なく、いまや食物ピラミッドの頂点に立つ王様だ。

 宮古野鳥の会の岡徹会長は「ミドリガメやクジャクなどの移入種が増え、島が動物園化している。本来の生態系が失われつつある」と警鐘を鳴らしている。

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