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基地問題など【基地問題】

「何のための沖縄大使」か? 懐疑の声

「何のための沖縄大使」か/存在意義に地元で懐疑の声噴出/離任会見で「米軍抗議より対話」/10日に新任大使着任

 だれのために「沖縄大使」はいるのか。そんな疑問が地元・沖縄で渦巻いている。沖縄と政府、米軍との橋渡し役として8年前に誕生したが、このところ影が薄い。そうしたなかで、4代目大使の沼田貞昭氏が離任会見で「米軍に抗議より対話を」と発言。これに対し稲嶺恵一知事は遺憾の意を表明し、10日に着任した5代目の宮本雄二・前ミャンマー大使に「ほかで通る話が沖縄では通らないことがいっぱいある」と、米軍に対して厳しい県民感情などに理解を求めた。

 最後のお願い
 カナダ大使に転出する沼田氏は1日、外務省沖縄事務所での最後の会見に臨み、1年10カ月の在任期間を振り返った。8月のヘリ墜落事故をはじめ、相次ぐ米軍絡みの事件、事故への対応を踏まえ、「県民へのお願い」を語った。

 「米軍に常に抗議するのではなく、双方通行の対話をしていただきたいという気持ちを持っている」「在日米軍人は日米安保条約のもと、日本とかアジアの平和と安全を守る使命をもっており、必要が生じれば自らの生命を危険にさらすことを覚悟している。彼らの立場に思いをいたしてほしい」

 これに対し、地元紙は社説で大使のあり方に強い疑問を呈した。「沖縄大使は再考の時にきている」(沖縄タイムス)、「誰のため、何のために沖縄に配置されているのか」(琉球新報)。

 遺憾の意
 10日、着任のあいさつに県庁を訪れた宮本・新大使を、稲嶺知事は苦虫をかみつぶした表情で迎えた。沼田発言について「大波紋を呼んだ」としたうえで、「沖縄には戦後60年の積み重ねがある。その感情を理解していただかないと微妙に食い違いが出る。それが大きくなるのは好ましくない」。沖縄戦、米軍占領、広大な基地負担が念頭にあった。

 事件・事故のたびに、沖縄の自治体や県民は米軍に抗議を繰り返してきた。沖縄大使には不安、不満を抱く県民と米軍との「橋渡し役」が期待されていた。だが、稲嶺知事は開会中の県議会で「発言を聞いて私の力が至らなかったことを思い知らされた」と述べ、こうした役割が大使に理解されていなかったという認識を示した。

 「米軍が日本を守る使命への理解」を沼田氏が強調したことに、特に知事周辺は地団太を踏む思いを抱いている。その使命があればこそ「日本全体の問題として基地問題を考え、沖縄の負担軽減を図るべきだ」というのが沖縄県の論理の核心だからだ。

 前任大使も
 沼田氏の前任、橋本宏氏も03年1月の離任会見で、「在沖米軍関係者1人当たりの犯罪発生率は、沖縄県民よりも低い」と発言、反発を招いた。稲嶺知事は赴任してきた沼田氏に「戦後の沖縄の歴史を考慮すべきだ」と厳しく注文していた。

 10年前にも、基地視察に訪れた防衛施設庁長官が、沖縄を「戦略的な要衝」と位置づけたうえで「基地と共生、共存する方向に変化してほしい」と述べた。この時は、県議会が抗議決議をし、発言撤回に追い込まれた。

 だが、当時のような沸き立つ怒りが、今はない。沖縄平和運動センターの崎山嗣幸議長は「抗議しなければ容認していると受け取られる。どうせ日本政府、外務省なんてこんなものだという失望と不信感が蓄積されている」と危機感を抱く。

 「皆さんの気持ちを理解し、少しでも近づいて、自分なりに判断していきたい」「共通の目標をできるだけ多く達成できるよう微力を尽くしたい」。宮本氏は10日、知事に対し低姿勢でこう語った。

 小泉首相は米軍再編に臨むにあたり、「沖縄の過重な基地負担の軽減」を約束した。県民は新大使の言動の向こう側に、再編の行方を注視している。

 メモ 沖縄大使とは
 初代の沖縄担当大使は、沖縄の米軍基地問題をめぐり、当時の橋本龍太郎首相と大田昌秀・沖縄県知事が話し合いを続けていた97年2月に任命された。沖縄事務所も開設し、同年10月には基地問題をめぐる政府代表に格上げされた。

 地元住民と米軍との調整を図る一方、実情を政府に伝えることが期待された。最近では、抗議団が上京する代わりに、窓口役となることが主な役割となっている感が強い。4代目の沼田貞昭氏の在任中の沖縄事務所への抗議・要請は218件、大使が直接対応したのは84件。ことし8月のヘリ墜落事故以降に集中したとされる。

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