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なにわ平成食探訪

menu:6 ベルギーワッフル 

写真:1996年に東京1号店としてオープンした「マネケン新宿東口店」。連日行列ができたという 拡大1996年に東京1号店としてオープンした「マネケン新宿東口店」。連日行列ができたという

写真:ワッフルの焼き上がる甘い香りに誘われるのか、店の前には常に人が=大阪市北区のマネケンJR大阪駅店 拡大ワッフルの焼き上がる甘い香りに誘われるのか、店の前には常に人が=大阪市北区のマネケンJR大阪駅店

写真:HAPJEのブリュッセルワッフル。生地に砂糖は使っておらず、チョコレートやフルーツ、アイスクリームをトッピングして食べるのが人気 拡大HAPJEのブリュッセルワッフル。生地に砂糖は使っておらず、チョコレートやフルーツ、アイスクリームをトッピングして食べるのが人気

 ■甘香誘う、文化の入り口

 バターたっぷりの生地が焼ける甘い香り。ベルギーワッフル専門店「マネケン」の店舗の前を通ると、つい足を止めてしまう人も多いはず。

 1990年代、大阪から全国に広がったベルギーワッフルブーム。そのきっかけは、今からおよそ40年前にさかのぼる。

 マネケンを全国展開する洋菓子メーカー「ローゼン」(吹田市)の創業者、故・荒木勲さんは80年ごろ、新しい味を求めて欧米を訪ね歩いていた。

 「ぜひ食べてみて」とベルギー人通訳に勧められ、ベルギー・ブリュッセルの街角でワッフルを食べた。バターの芳香とさっくりとした歯応え。「これがワッフル?」。当時日本で一般的だったワッフルはスポンジ状の生地にクリームを挟んだもの。未知の味に感銘を受け、原材料や鋳型を日本に持ち帰った。

 レシピ作りに5年。現地の味を日本人好みに作り直す一方、ベルギー産の砂糖を使うなど工夫とこだわりを詰め込んだ。試食した大阪のベルギー領事館の領事は「本国のワッフルよりもおいしい」。お墨付きを得て86年、梅田にマネケン1号店を出店した。

 だが、当初の売れ行きは振るわなかった。社内からは「手を引いたらどうか」との声もあったが、勲さんは「必ず受け入れられる」と諦めなかった。

 焼きたてをすぐに食べ歩きできる手軽さは、やがて若い女性の心をつかむ。94年に「江坂東急店」(吹田市)で初めて行列ができ、南海なんば駅の店舗の開店初日には200人が並んだ。「粘り勝ちやな、と思いました」。勲さんは当時の朝日新聞の取材にそう語った。

 96年、東京に進出。97年から98年にかけて、全国で最大77店舗まで拡大した。その評判はベルギー本国にも伝わり、勲さんは98年、「ベルギー王国王冠勲章シュバリエ章」を受けた。

 2002年、長男の典雅さん(51)が社長に就任。店舗数を縮小する一方、新たにコンビニやスーパーに流通ルートを広げた。マネケンのワッフルはすっかり定着し、ローゼンにはワッフル好きの新入社員が毎年のように入社するようになった。

 昨年、典雅さんは「ベルギーの食文化発展に貢献してきた」として「レオポルド2世勲章オフィシエ章」を受章。典雅さんは「おいしいお菓子をみなさんに食べてもらえるチャンスを、ベルギーがくれたんです」と振り返る。

     *

 ベルギー出身のハンセンス・イェレさん(27)は7年ほど前、初めて日本に来た時に見た光景を今も思い出す。甘い香りに誘われ、マネケンの店舗に行列を作る人たち。「ベルギーのワッフルってこんなに日本に浸透しているのか」と驚いた。

 買って食べてみた。おいしい。でも。「ベルギーのワッフルはこれだけじゃない。日本人は知っているのかな」

 ベルギーでは「ブリュッセルワッフル」と呼ばれるパリッと軽い食感の長方形のワッフルと、「リエージュワッフル」と呼ばれる生地のしっかりした円形のワッフルがメジャーだ。マネケンのワッフルは、リエージュワッフルだった。

 ベルギーに来た日本人の友達にブリュッセルワッフルを食べてもらうと、「初めて食べる味」「これもベルギーワッフルなんだ」。

 「日本人にブリュッセルワッフルも知ってほしい」との思いが募り、15年、勤めていたロンドンのIT企業を退社。日本に移住し、翌年5月、大阪市西区にベルギーカフェ「HAPJE(ハピエ)」をオープンさせた。

 注文が入ってから焼くワッフルに、好みでアイスクリームやチョコレートをトッピングするのがブリュッセルワッフルの食べ方。持ち歩きには向かず、ベルギーでもレストランでフォークとナイフで食べる。材料はベルギー産にこだわる。SNSを通じて若い世代に広まり、ベルギーの文化に興味を持つ人も来てくれるようになったという。

 「食は文化をつなぐ」。客との会話を通してハンセンスさんは実感している。「マネケンのワッフルのように、このお店がベルギーの文化を知る入り口の一つになれればうれしいですね」(坂東慎一郎、山根久美子)

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