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なにわ平成食探訪

(完)menu:8 SNS 

写真:グランピングの雰囲気を店内いっぱいに表現した「Meat Camp」 拡大グランピングの雰囲気を店内いっぱいに表現した「Meat Camp」

写真:のんさんがインスタグラムに投稿した食卓の写真。そうめんや煮物を鮮やかな和食器に盛り付けた=のんさん提供 拡大のんさんがインスタグラムに投稿した食卓の写真。そうめんや煮物を鮮やかな和食器に盛り付けた=のんさん提供

写真:クッキングラマーとして活躍するのんさん 拡大クッキングラマーとして活躍するのんさん

 ■#映え投稿、食卓支える

 食事の写真を撮ってSNSに投稿――。スマートフォンの普及が進み、こんな光景は当たり前になった。流行語大賞に「インスタ映え」が選ばれたのは2017年。その年の大阪弁川柳コンテストの大賞は「早(は)よ食べや いつまで写真 撮ってんねん」。SNSと「食」の密接な関係が続く。

 多くの人が行き交う阪急東通商店街。その店のドアを開けると、ランタンのやさしい光がこぼれてきた。アウトドアチェアでくつろぐ客たち。壁にはアウトドア用のキッチン用具がずらりと並ぶ。キャンプに来たような、わくわくした気持ちになれる。

 「Meat Camp(ミートキャンプ)」は17年8月にオープン。「グラマラス」(魅力的)と「キャンピング」を合わせた、新しいキャンプスタイル「グランピング」の雰囲気を店内に再現した。ダッチオーブンで焼いた鶏料理など、本格的なキャンプメニューも楽しめる。

 訪れた人は非日常的な空間を撮影してSNSに投稿する。その投稿がまた、次の客を呼ぶ。大学2年の藤岡麻里絵さん(20)は写真共有アプリ「インスタグラム」で「梅田」「ご飯」と検索し、出てきた写真を見て「おしゃれでご飯もおいしそう」と訪れた。

     *

 SNSは知人や友人とネット上でつながるだけではなく、新たな情報を得るための手段としても活用されている。「電通メディアイノベーションラボ」が16年にSNSを使っている15〜34歳の男女1600人を対象に調べたところ、約4割が「いまはやっているカフェやレストラン」を探す際にインスタなどのSNSで検索していた。投稿された写真やコメントから、自分の感性に合った店を見つけだす。

 「Meat Camp」の運営会社「ジョウジョウ」販促企画部の岡本裕樹さん(38)は「専門色がある『とがった』店が求められている」と指摘する。SNSの普及が進み、「価格以上に、こんな場所を見つけたとアピールできるような店舗が求められている」。

     *

 SNS映えするのは外食ばかりではない。日々の食卓をSNSで紹介し、交流を楽しむ人たちも増えている。

 府内に住むのんさん(44)のインスタグラム(@non_la_non)は、おにぎりやだし巻き卵といった家庭料理やお弁当などを紹介している。華やかな盛りつけ、色合い、スタイリッシュな食器との組み合わせ。一品一品はなじみのある料理が多いけれど、見ているだけで楽しい気持ちになる。

 上は大学生、下は小学生まで3人の子どもがいる主婦だ。子育てを機に「いいもの」を食べさせたいと考えるようになり、自家製のみそで作るみそ汁など母の味にこだわりつつ、気負いすぎずに「シンプルに旬のものをおいしく」を目指してきた。

 和食器が好きだったことも手伝って、盛り付けも楽しむようになり、料理の写真を4年ほど前から投稿してきた。料理に込める思いを検索キーワード(ハッシュタグ)「#豊かな食卓」「#丁寧な暮らし」などと付け、2、3日に1回発信。フォロワーは4万5千人を超える。

 その影響力に企業も注目する。料理インスタグラマーコミュニティー「クッキングラム」を運営するアイランド(東京)は15年から、料理写真の投稿やコミュニケーションを楽しむ料理好きな人たちを「クッキングラマー」と名付けてPRしてきた。のんさんら約1万人が登録し、「#クッキングラム」のハッシュタグで投稿された食卓の写真は340万件を超える。

 リアルな人間関係とは違った交流も生まれる。のんさんの投稿に寄せられるコメントは毎回20件以上。SNSで知り合った仲間と実際に会うこともしばしば。「身近な友達とは話題にならない、料理や盛り付けについて語り合う。もっとおいしいものを作りたいと刺激を受ける機会になっている」とのんさんは話す。

 クッキングラムのプロデューサー、大田祥子さん(42)は「東日本大震災以降、食の安全や健康に対する意識が高まり、豊かな食生活を送ろうと考える人が増えた」とみる。「他のユーザーと料理の発想やスキルを磨きあうなかで、純粋に食を大切にし、なんでもない日々の食卓を最大限に楽しむ人たちが増えている」

 見た目だけじゃない。地に足のついた食文化を、SNSは支えている。(坂東慎一郎)<完>

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