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技キラリ

畑萬陶苑 畑石修嗣さん(30)

写真:器の高台の削り作業をする畑石修嗣さん=伊万里市 拡大器の高台の削り作業をする畑石修嗣さん=伊万里市

写真:Rin(りん) 拡大Rin(りん)

 気鋭の若手作家のひとりだ。「秘窯の里」として知られる伊万里市大川内山にある伊万里鍋島焼窯元の5代目。社長で父親の真嗣さん(60)は、伊万里・有田焼伝統工芸士でもあり、その背中を見て育った。

 だが、伊万里高校から進んだ大学は、東京都八王子市にある東京造形大学彫刻科。「そのころは家業を継ぐ気はなくて、将来は彫刻家になろうと思っていたんです」

 ところが3人兄弟の長男。「卒業したら家に帰ってこい」という話になった。帰省した際に、実家の展示会の手伝いなどをしているうちに、「彫刻とは素材は違うけど、無から美しい形や価値観を生み出していくという表現方法は同じかもしれない」と思うようになった。

 大学卒業後に帰郷し、改めて有田窯業(ようぎょう)大学校で2年間、陶芸の基礎を学んだ。畑萬陶苑入社後は、仕事の合間を縫って有田町内で開いていた陶芸家奥川俊右衛門さんのろくろ教室に通い、磁器づくりの精緻(せいち)な技の修練に努めてきた。

 自らの作品づくりは、会社の仕事が終わってから。今、取り組んでいるのは、器全体が黒を基調とした鉢「Rin」シリーズ。黒という色もそうだが、口にギザギザの文様を個性として刻み込み、浮遊感を表現したという。

 「Rin」は、漢字の「凜(りん)」からつけた。漢字だと自分の作品とイメージが合わないため、音の響きから共鳴させようとローマ字にした。

 材料は天草陶石を使い、形を整えた後、マット(つや消し)調の黒っぽい釉薬(ゆうやく)をスプレーで吹き付け、通常よりやや低温で焼き上げる。柔らかさとシャープさを併せ持ったフォルムに加え、黒がどっしりとした存在感を演出している。

 このシリーズで2013年には、日本陶芸展で準大賞に輝いたほか、九州山口陶磁展や陶美展、西部伝統工芸展、日本伝統工芸展などで入賞、入選を重ね、その才能を一気に開花させた。最近は、黒だけでなく天草陶石の白地を生かした白の「Rin」シリーズも発表し、表現の幅を広げている。

 会社では、県が有田焼創業400年事業の一環として進めている国際見本市「メゾン・エ・オブジェ」(1月、フランス・パリ)出展プロジェクトや、4月にイタリア・ミラノで開催される「ミラノ・サローネ」へ向けた新商品開発など、世界戦略を見据えた仕事に取り組んでいる。

 今は、その仕事が追い込みに入っていて大忙しだ。「メインは会社の仕事ですが、作家としての活動も限定的にはなりますが、やり続けてもっと進化していかなきゃな、と思っています」

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【略歴・作陶歴】

1985年 伊万里市生まれ

2004年 県立伊万里高校卒業

2010年 東京造形大学彫刻科卒業

2012年 佐賀県立有田窯業大学校卒業、西日本陶芸美術展沖縄県知事賞受賞

2013年 日本陶芸展準大賞受賞、陶美展茨城交通賞受賞、九州山口陶磁展佐賀県知事賞受賞、日本伝統工芸展入選

2014年 九州山口陶磁展日刊工業新聞社賞受賞

2015年 西日本陶芸美術展入選

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 ■畑萬陶苑

所在地 伊万里市大川内町乙

電話  0955・23・2784

交通  JR伊万里駅から車で15分。大川内山バス停から徒歩1分。

駐車場 伊万里鍋島焼会館駐車場を利用(50台)

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