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平尾茂の湯ろ酒く佐賀

酒器がシュキ お気に入り平杯で「極楽」

写真: 拡大

有田の水は軟らかく、優しいお酒になると地元の蔵元に聞いたことがある。竜門峡の名水とコイ料理、呉豆腐などおいしい水と関わりが深いのも納得だ。もちろん、陶磁器づくりにも水は欠かせない。

 有田焼は400年の歴史がある。NHK「ブラタモリ」でもやっていたが、有田・泉山磁石場の陶石は、奇跡的に温泉の作用を受けて白くなったそうだ。有田焼と温泉の意外な関係だ。武雄や嬉野の温泉地だけでなく、有田町内にはヌルヌルのローションみたいな泉質で知られる「有田温泉」がある。ここは水も良いので水風呂との交互浴をすすめたい。武雄市山内町には「黒髪の森温泉」もあり、ヌルツルだ。

 有田陶器市に出かけた。今年で116回というから明治、大正、昭和、平成、そして令和と歴史を重ねた佐賀の一大伝統行事だ。谷あいに細長く延びた焼き物の町は多くの客でにぎわっていた。外国人の姿も目立つ。通りの両側には最近は焼き物だけでなく、おしゃれな小物や雑貨、食べ物などもたくさん並んだ。

 私の目当ては酒器。それも白磁の平杯が好きで方々探したが、気に入ったものがない。手になじむ材質、大きさ、軽さ、縁の厚みなど酒飲みの好みは酒選びに劣らずうるさく、酒器の世界も奥が深い。

 通りにはお酒を出す店もある。

 「今年の古伊万里前(さき)の新酒は良い飲み口ですね」

 「この杯はエッグシェルといって卵の殻のように薄くて飲みやすいですね」

 毎年立ち寄る酒屋で、飲みながら店主とお酒談義をするのも楽しみだ。

 有田で買ったお気に入りの平杯で今夜も一杯やる。今日はぬるかんにした。トクトクと魔法の液体を注ぐとふわーっと香りが立つ。薄い縁に唇を当てクイッと杯を傾ける。「ああ、極楽」。お酒と私は一体となる。ぬるかんのお酒は人の心と体を開く。お酒も好きだが酒器もシュキだ。

     *

 ひらお・しげる 1951年佐賀市生まれ。佐賀市役所に入り、16年3月まで同市社会福祉協議会富士支所長を務める。酒と温泉をこよなく愛し、「そいばってん佐賀」など著書多数。現在の肩書は「お酒と温泉文化研究家・佐賀雑学博士」。

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