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09月17日朝日新聞デジタル朝刊記事一覧へ(朝5時更新)

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平尾茂の湯ろ酒く佐賀

つかの間の麦秋 梅雨を前に心ゆくまで満喫

写真: 拡大

干拓地に住む農家の友人は、麦畑に有明海からの風がそよぐ風景が、一年中で一番好きだと言った。「麦秋」とは麦の取り入れをする季節。初夏の頃のこと。「麦秋」といえば、年配の人には小津安二郎監督の映画を思い出す人もいるかもしれない。

 佐賀市川副町のイベント「麦秋カフェ」を訪れた。会場は金色に輝く麦畑と青い空のコントラストが美しく、子ども連れやカメラを持った多くの客でにぎわっていた。結婚式を控えた若いカップルが麦畑を背景に写真を前撮りするほほえましい光景も見られた。

 地元の農家によると「農家は麦狩りが済むと田植えが待っている。今の時期は作業が重なり忙しい」「今、金色の麦はビールの原料になり、緑色の小麦もやがて色づきパンや麺の材料になる」そうだ。

 麦秋は短い。梅雨入り前につかの間訪れる青い空と薫風が爽快に麦畑を吹き渡る季節は長くは続かない。今年は雨が少なく田植えの水が心配だが、半面、麦の出来は良いらしい。佐賀県は全国第1位の二条大麦の生産地である(2018年産)。

 産卵期を迎えるシャコを佐賀では「麦シャッパ」と呼び、この季節の有明の幸である。「麦刈り前の今が一番うまかよ」「醬油と砂糖で甘く煮て少し冷えたぐらいがおいしかもんね」という料理屋のすすめで、軟らかくて優しい味の麦シャッパをさかなに佐賀のお酒を飲んだ。もちろん麦酒にも合う。シメにシャッパのだし汁でそうめんをいただくのも忘れなかった。

 コラムのシメはまたお酒とさかなになってしまったようだ。クスッ。あなたが笑ったのかな? それともクスの葉っぱが落ちた音? クスは県の木であり花でもある。今、佐賀城公園のクスの木々も美しい。今年もやがて来る梅雨を前に麦秋を心ゆくまで満喫したい。

     *

 ひらお・しげる 1951年佐賀市生まれ。佐賀市役所に入り、16年3月まで同市社会福祉協議会富士支所長を務める。酒と温泉をこよなく愛し、「そいばってん佐賀」など著書多数。現在の肩書は「お酒と温泉文化研究家・佐賀雑学博士」。

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