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平尾茂の湯ろ酒く佐賀

味を開くぬる燗 鹿児島旅路、いいカンジ 

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 ♪お酒はぬるめの燗(かん)がいい……。八代亜紀の「舟唄」はお好きだろうか。演歌のジャンルを超えて歌われている今やスタンダードナンバーの名曲だ。

 鹿児島県の温泉と酒を巡る旅をした。指宿や霧島のほか、栗野岳温泉南洲館、日当山(ひなたやま)温泉など西郷さん隠し湯を巡り、宿や居酒屋で地元名産のさつま揚げや黒豚のしゃぶしゃぶを肴(さかな)に芋焼酎を飲んだ。♪しみじみ飲めばしみじみと〜♪ここは鹿児島旅路の果てか……歌はいつのまにか森進一の「港町ブルース」に変わっていた。

 旅の最後に薩摩焼の沈壽官(ちんじゅかん)窯を訪ねた。慶長の役の際に薩摩に連行された朝鮮人陶工が先祖だが、藩命により朝鮮姓を名乗ることになった。薩摩焼は幕末のパリ万国博覧会に出展され、有田焼とともに欧米で脚光を浴びた。

 沈壽官さんにお酒のおいしい飲み方について興味深いお話を伺った。「沈窯で作られる(燗用の土瓶型酒器の)黒茶家(くろじょか)は特別に配合した土の成分により加熱時に発せられる遠赤外線効果で液体の中の空気をぬき、酒本来のうまみを出すことに成功した」「弱火で人肌ぐらいにゆっくりあたためるのがおすすめ」など、十五代当主の言葉に燗酒好きの私は思わず引き寄せられた。

 薩摩といえば焼酎と思われるが、「日本酒でもびっくりするぐらいおいしくなる」「泡立てずに静かに注ぐのがおいしく飲むコツ」という。ぬる燗はお酒の味を開くと言われている。早速黒茶家で日本酒をぬるく燗した。おー、なんともやさしく溶けるような飲み心地だ。

 良いお酒ほど冷やでという昨今の風潮はイカンとかねがね感じていた。先入カンなしで燗々諤々(かんかんがくがく)、カーン杯! 鹿児島弁で飲み会のことを「飲ん方」、佐賀弁では「飲み方」という。さしつさされつこよいもゆるりとまいろう。♪ほろほろ飲めばほろほろと〜少し酔いが回ってきたのさ……いいカンジだ。

     *

 ひらお・しげる 1951年佐賀市生まれ。佐賀市役所に入り、16年3月まで同市社会福祉協議会富士支所長を務める。酒と温泉をこよなく愛し、「そいばってん佐賀」など著書多数。現在の肩書は「お酒と温泉文化研究家・佐賀雑学博士」。

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