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ひと@ここく

サンライズ出版社長 岩根順子さん

写真:創業90年を迎えたサンライズ出版の岩根順子社長=2020年4月8日午後2時22分、滋賀県彦根市鳥居本町 拡大創業90年を迎えたサンライズ出版の岩根順子社長=2020年4月8日午後2時22分、滋賀県彦根市鳥居本町

「淡海文庫」発刊続けるサンライズ出版社長

 ■近江の文化、書籍に残す

 1930(昭和5)年の創業以来90年、彦根市に拠点を置き、県内の文化や歴史、自然環境などにこだわった出版を続ける「サンライズ出版」。先代の父豊秀さん(故人)が

鳥居本町で、印刷業「サンライズスタヂオ」を開いたのが、出版社の前身だ。

 なかでも「淡海(おうみ)文庫」は94年4月の創刊以来、毎月3冊を目標に発刊している。「近江は都から近い湖という中央の視点の言葉。自らの熱いメッセージを滋賀の視点から届けるという意味で淡海としました」

 岩根さんによると、豊秀さんは画家を目指していたがかなわず、代わりに当時、流行した謄写版(ガリ版)印刷に興味を持った。

 謄写版は、国内では明治時代に現在の東近江市で開発された。蝋(ろう)を引いた紙に、鉄筆で文字や絵を書いてインクを流して印刷する方法。簡単なことから昭和時代まで、学校などで普及した。

 豊秀さんの繊細でモダンなデザインの謄写版は評判を呼び、企業の宣伝ポスターや年賀状にひっぱりだこになり、県内各地に営業活動を広げた。

 そうした中、岩根さんは高校卒業後、家業を手伝うように。76年ごろからは出版も手がけるようになった。とはいえ当初は、地域紙や個人誌などの個人出版や公共団体の出版物が中心だった。81年、豊秀さんが亡くなると、経営をすべて担うようになった。

 淡海文庫の立ち上げは、94年に県内の民俗学者・橋本鉄男さん(故人)の著書「柳田國男と近江」を出版した際、橋本さんから「近江の文化を発信する文庫を作るべきだ」と説得されたことがきっかけだ。この著書が第1号を飾った。

 当時は近江商人が注目されており、出版は順調に進んだ。その後、城郭や戦国時代、石田三成などと地元を舞台とした歴史ものがブームを呼び、出版事業も波に乗ることができた。

 しかし著者に印税を支払うまではいかないという。「著者にも出版費用を一部、負担してもらっている。厳しい状況に変わりない」と現状を打ち明ける。

 その中で妹の治美さん(67)も経営を支える。出版を取り巻く環境はインターネットの普及などで厳しさを増しているが、社員10人と共に「地方出版の文化を守る」という信念を持ち続ける。

 2015年には滋賀、県立両大学と「おうみ学術出版会」を結成した。近江にこだわった分かりやすい学術書を出版するのが目的だ。

 「紙は千年以上前のものも残っている。モノとしての書籍にこだわり、コアでも分かりやすいものを出版していく」。出版人としての情熱は衰えない。

(田中昭宏)

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