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しまねの人

演劇通し 反戦・平和訴え

写真: 拡大

写真:新作の稽古をする澄川雅是さん=浜田市野原町 拡大新作の稽古をする澄川雅是さん=浜田市野原町

◆劇団「石見国くにびき18座」代表 澄川 雅是さん(74)◆

 戦争をテーマにしたオリジナル作品にこだわり、浜田市を拠点に演劇活動をしているアマチュア劇団「石見国(いわみのくに)くにびき18座(いちはちざ)」の代表を務める。来年6月の「全国シニア演劇大会in TOKYO」を目指して戦争孤児を題材にした新作の稽古を始めた。脚本は「戦後ゼロ年ここから」。戦争が無かった平成が終わり令和を迎える中、最後のせりふは思いがこもる。

 「昭和20年8月15日終戦、戦争ゼロ年の始まり。ここから一度も戦争を起こすことなく、戦後を守り通した75年間、私たちにとって、何よりの誇りです」「これからもずっと、ずっと戦後が続くように、それが、戦後を生きてきた私たちの願いです」

 自身も含めた劇団員12人は、県の高齢者大学校「シマネスクくにびき学園」で学び、2010年に卒業した同級生だ。学園の卒業旅行で訪れた沖縄で、同級生が涙ながらに語った戦争体験を聞いたのが結成のきっかけ。

 みな70歳以上で、最高齢は90歳の2人。学徒動員先の広島で被爆したり、戦艦大和を山口県で見送ったり、戦争の記憶がある世代。「次世代を担う子どもたちに悲惨な戦争を体験させたくない。命の重さと平和の尊さを訴えたかった」と言う。

 とはいえ、みんな演劇にはずぶの素人。脚本を担当する元小学校教諭の女性が学習発表会の劇で脚本を書いた経験がある程度。稽古は毎週木曜日の午前9時半から午後3時まで。団員たちは「デイ・サービス」と言って集まってくる。

 稽古のスタートはみんなで経済や社会問題を話し合い「頭の体操」をしてから。早口言葉で滑舌を鍛え、歌も歌う。「健康が第一。ぼけないためにせりふを覚える。練習が終わると、いつもぐったり」だそうだ。

 演劇を通して戦争と平和について訴えているが、「時が経つに連れて物事を忘れるように、戦争への記憶が風化しつつある」との危機感は募る。

 戦争について「年配者の人たちが当時のことをあまり話さず、子どもたちに伝えていない。若い人たちの戦争への反応も鈍い」と指摘する。自身についても「私は戦後の困難の記憶は薄い」という。母親のおなかの中にいたときに父親が出征し、終戦の1カ月前の1945年7月15日、フィリピンのレイテ島で戦死。「母は当時のことを極力語ることはなかった」からだ。

 地元でもシニア全国大会でも「もっと楽しい出し物を」と言われるが、こだわりを捨てる気はない。

 生まれ故郷の益田市美都町山本金谷にある一本桜「金谷城山桜」は自身の先祖が移り住んだ際に植えられたとされる県の天然記念物のエドヒガン。樹齢は約600年と言われており、戦争へのこだわりとともに守り続けていく。

 (礒部修作)

■すみがわ・まさゆき

1944年、益田市美都町生まれ。県立浜田高校から東京の大学に進学。卒業後、大手の重工業会社に勤務。定年退職した後、2007年に浜田市にUターンした。

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