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しまねの人

学校で学べないこと ある

写真: 拡大

写真:子どもたちの踊りの指導をする木村かなえさん=松江市内中原町 拡大子どもたちの踊りの指導をする木村かなえさん=松江市内中原町

◆振付師 木村 かなえさん(59)◆

 5月の大型連休中、松江市内の小学校のホールで、ミュージカル「あいと地球と競売人」の稽古が始まった。9歳〜13歳の子どもたち約30人の前で、汗だくで振り付けを示す。「手はまっすぐ、体は斜め。丁寧にやって」「もう1回いくよ。ちょっとゆっくりやってごらん」。一人ひとりに手や足の動きを丁寧に指導する。

 と、急に体を止めて押し黙ることも。見守る子どもたち。しばらく考え「このステップでいいか。もう1回やろう」。振り付けは稽古の中で進化していくのだ。厳しい目線で子どもたちを見つめ、次の瞬間には冗談を言いながら、汗と笑顔で稽古は進んでいく。

 浜田市出身。幼稚園の時に、「体が強くなるように」との母の勧めでバレエ教室に通ったのがきっかけだった。小学生の時にたまたまテレビで見た「ウエスト・サイド物語」でミュージカルに心酔。進学した高校ではダンス系の部活がなく軽音楽をしていたが、休み時間には体育館の横で1人で踊っていたという。

 日本女子体育短大(東京都)で舞踊を専攻し、浜田に戻ってジャズダンス教室を開いた。1994年初演の「あいと地球と競売人」は、97年からキャスト(出演者)・スタッフとして関わり続けている。

 「学校でなかなか学べないことが、ここでは学べるんですよ」と言う。

 数年前の舞台練習でのこと、がんを患いながら舞台に立った大人の出演者がいた。すると、子どもたちは自然に「今日は大丈夫?」といたわる言葉をかけるようになっていったという。

 また振り付けに子どもたちから意見が出ることもある。自由に発言してもらい、みんなで考える。「不正解」はない。「萎縮しないようにのびのびと」がモットー。ただし、やるべきことをやらない子には厳しい。「家で鏡を見て踊りを再確認して」などと宿題を出すが、やってくる子とこない子がいる。「それは見れば分かります。上手でなくても、練習をきちんとしている子は変わっていくのですぐ分かる」

 今年の公演は9月21〜23日。4歳〜70代のキャスト約100人が舞台に立ち、実行委スタッフや、子どもたちの保護者もボランティアで裏方の仕事を引き受ける。

 原案は、12歳で短い生涯を閉じた坪田愛華さんが、地球の環境問題について考えた漫画「地球の秘密」だ。その思いを舞台で伝えたい。島根への恩返しだとも思う。

 「島根は魚もおいしく、緑も美しい。島根を愛する気持ちをみんなにずっと持っていてほしい」。それが伝えられる演技を目指し、稽古に取り組む。 (奥平真也)

■きむら・かなえ 

1959年生まれ。東京と島根でクラシックバレエとジャズダンスを指導する。2004年に県内を主会場に開かれた高校総体の総合開会式の集団演技の指導や、13年には出雲大社大遷宮奉祝事業の音楽劇「クシナダとスサノオ」で演出・振り付けを担当した。

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