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しまねの人

楽しむ野球 指導法伝える

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写真:若狭彰さん 拡大若狭彰さん

◆島根ベースボールイノベーション理事長 若狭 彰さん(37)◆

 「島根から日本の野球界にイノベーションを起こしたい」。そんな思いを実現するため、2015年3月にNPO法人「島根ベースボールイノベーション(SBI)」を設立した。以来、島根、そして日本の野球の発展を目指して活動を続けている。

 県内外の小中高校生のチームを対象にした講習会や、指導者への指導方法のコンサルティングを実施しており、発足以来、指導に携わったチームは県内外で約50チームに及ぶ。県内の中学、高校の選手らを対象に「野球力測定会」を毎年開催。ベースランニングのタイムやスイングスピードを測定し、結果の活用方法や効果的なフィジカルトレーニングの方法を指導しているという。

 18年7月には、全国大会で優勝経験がある高知中(高知)と仙台育英秀光中(宮城)を出雲市に招待し、県内の中学生の野球チームと対戦するイベントを企画。両校には試合中のベンチを開放してもらい、県内の指導者がその場で強豪校の野球指導について学べるように工夫した。

 「県内の指導者に、トップ・オブ・トップの指導方法を体験してもらう機会を作りたかった」と語る。

 活動を通し、選手や指導者に伝えたいのは野球の「ゲーム性」を理解し、楽しむこと。「野球はシンプルに言えば、走者の生還で得点が入り、勝つスポーツ。勝つためにいかに走者を前に進めるかを考えるところに野球の本当の楽しさがある」

 ただ、そんな考え方が日本の野球界にはあまり浸透していないと考えている。「精神論を重視する風潮がある。『人格形成』が目標になると、野球の楽しさが損なわれてしまうと思う」

 NPO立ち上げのきっかけは、自分自身の経験だった。

 「最初は、近所の兄ちゃんたちと公園で野球するのが楽しかった」。プロ野球選手や高校球児に憧れ、小学3年で野球を始めた。地元の中学には野球部がなく、ソフトテニス部と陸上部をかけ持ち。松江北高校で野球部に入り、1年生から内野手のレギュラーを獲得、3年時は主将も務めた。「野球に関わる仕事がしたい」と考え、体育教師を目指して大阪体育大学に進んだ。

 しかし、大学を卒業して島根県に戻り、出雲市の中学校で5年間、講師として働き、野球部の監督を務める中で、野球をする子どもが減り、指導者が指導法を学ぶ機会がほとんどない現状を知った。「野球の本当の面白さを教えられる指導者がいないと、島根の野球は衰退する一方だ」

 仕事のかたわら、現在プロ野球チームでトレーナーを務める大学時代の同級生のアドバイスを受けたり、県外のチームの新しい指導法を学んだりした。そして「個々のチームや高校野球、少年野球などの垣根を越えて、指導法などを伝えられる組織が必要だ」という思いから、SBIを設立。教員との二足のわらじで、主に休日をSBIの活動に当てる。「全国でも先例がない取り組み。今でも手探りです」と笑う。

 野球は、打者が一人ずつ投手と戦う「セットプレー」の積み重ねだ。ストライク、ボール、アウトのカウントの組み合わせは36通りで、走者の位置も合わせると全部で288通りの状況がある。「288通りの状況の中で、走者を前に進めて得点を奪うための方法を考えるのが野球の楽しさ」。その「ゲーム性」を追求することは、教育にもつながると考えている。「戦略や効率的な練習方法を考えることは、野球以外の部分でも選手たちを成長させるはず」だからだ。

 将来的には、SBIのシンボルチームとなる社会人野球チームをつくりたいという。「島根で野球をしてきた子供たちが、大人になって帰ってくる場所をつくりたい。そしてチームの活動を通して、SBIの理念を島根から全国に発信できれば」(浪間新太)

■わかさ・しょう

1981年、安来市生まれ。松江北高では1年から内野手のレギュラーを務め、3年時は主将。大阪体育大を経て、現在は県立出雲養護学校の保健体育科教諭。夢はイチローと野球について語り合うこと。

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