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しまねの人

母なる海 ともに生きる

写真: 拡大

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◆小波海岸の魅力発信 召古 裕士さん(65)◆ 

 都内で起業した環境コンサルタント会社の株式を、創業25年の2010年に全て手放して引退。出身地の松江市内にUターンし、環境と地域経済の両立を目指すNPO法人を設立した。

 今、もっとも力を入れているのは、自宅からほど近い小波海岸の魅力発信だ。透き通った海と美しい砂浜で知られ、夏は多くの海水浴客でにぎわう一方、冬から春に対馬海流に乗って流れ着く大量の漂着ゴミにも悩まされている。

 学生時代から磨いた撮影技術を生かし、水中写真やドローンを操作して撮影した上空写真を使った小波の紹介パンフレットを作製。砂浜で集めた貝などを加工したアクセサリーを「標本ジュエリー」と名付けて販売したり、浜を覆う砂が微小貝が集まった「貝砂」であることなどを子どもたちに教える教室「海の学校」を常設化したりする計画を進めている。

 「身近な海から多くのことが学べることを子どもたちに伝え、自然を壊さない生き方を考えるきっかけにしてほしい」と話す。標本ジュエリーは将来的に地域の収入源にしたいと考えている。

 子どものころから海が大好きで、島根半島の海水浴場に頻繁に通った。中学生で潜水を始め、高校生になると高級品だった水中カメラも買った。静岡市にキャンパスがある東海大学海洋学部を卒業した1977年に上京し、目指したのは、水中写真家だった。

 「当時はオイルショックまっただ中で、水中写真ではとても食えなかった」と振り返る。だが、潜水技術を生かして水産庁の海洋調査などに関わるうち、「これは仕事になる」と確信。85年に都内で環境コンサルタント会社を起業した。

 1人で始めた会社は公共工事分野で業績を伸ばし、約20年で大阪や広島などにも支店を置き、100人以上の従業員を抱える企業に成長させた。新入社員研修に潜水を採り入れるなど、独自の人材育成にも力を入れた。

 しかし、「人材育成の仕上げは、引退してすべてを任せることだと考えた。長年携わった環境コンサルタントの仕事では、50年先、100年先も持続可能な社会について、なかなか考えられなかった」として、株式を手放し、地元でのNPO設立を決断した。

 NPOでは行政の委託を受け、県内各地で有機農業の講演会などを開いたが、限界も感じた。

 「いくら地域の外から期間限定の事業を仕掛けても一過性のイベントになりがち。本当に地域に根付いた取り組みを行うには地域で暮らすしかない」

 5年前、松江の市街地から日本海に面した同市島根町に移住した。当初は6畳一間の借家暮らしだったが、2年前に海に臨む中古住宅を購入。子育てが一段落した妻の一美さん(56)を東京から呼び寄せ、小波海岸の魅力発信に注力する。「地球1個分の資源でやりくりする『一つの地球で足る暮らし方』を実践したい」(長田豊)

■めしこ・やすし 

1954年、松江市生まれ。85年に東京で環境コンサルタント会社を起業し、25年間で従業員100人規模に成長させた。2010年に経営から引退して松江に帰郷し、島根町などで地域振興に取り組んできた。県の自然保護レンジャーや松江市公認のジオガイドとしても活動している。

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