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しまねの人

演劇と歴史 次代に伝える

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◆住民参加ミュージカル監修 岩町 功さん(90)◆

 10月に上演される住民参加ミュージカルを監修する。タイトルは「群青〜濱田誕生、そして明日へ〜」。今年が浜田藩開府から400年の節目の年であることから、浜田市内で行われている記念事業の一環として行われる。

 物語は、2019年夏、東京で就職していた青年が浜田に帰省し、旧友たちと再会。話題は故郷浜田の歴史へと広がっていく。長州征伐の際に奮闘した浜田藩士岸静江や日本現代演劇の基礎を築いた島村抱月、日本画壇の大家、文化勲章受章者の橋本明治など、浜田ゆかりの偉人たちが登場し、400年の歴史をたどりながら、自分たちが暮らす浜田の現実的な課題、あすへの希望を探す人々の姿を描く。

 「浜田でどういう人物がどんな歴史を重ねてきたかを振り返るとともに、次の世代に受け継いでいくために、未来に何をすればいいのかを考えてほしい」と話す。

 演じるのは、10〜70代の約30人。地元浜田市や近隣市町から公募に応じて参加した。スタッフや楽器の演奏者、合唱団員などを合わせると、総勢約80人がかかわる。稽古は週2回、午後7〜9時の2時間だ。「本番までに80回の稽古を目指す」と熱が入る。

 大学を卒業後上京し、新劇の劇団の演出部に入団するが、病気のため3年で浜田に帰郷した。その後は県立高校の社会科教員になり、30年以上にわたり演劇の部活動を指導してきた。1968年には、勤務していた江津高校演劇部上演の「はたちの心〜若き日の島村抱月」が中国・四国高校演劇発表大会で1位となる文部大臣奨励賞を受賞、島根から初めて全国大会に出場した。

 94年の石央文化ホールの開館とともに館長に就任。これまで10本の住民参加創作ミュージカルで企画・演出を手がけ、東京から歌舞伎の専門家を招いた教室を開くなど、地元の演劇文化に深くかかわってきた。同市金城町出身の島村抱月の研究を続け、長年にわたり県内の演劇界を牽引(けんいん)してきた。

 浜田城跡(浜田市殿町)に、小説の取材でこの地を訪れた作家司馬遼太郎の碑がある。その中に「石見人はよく自然に耐え、頼るべきは、おのれの剛毅(ごうき)と質朴と、たがいに対する信のみという暮らしをつづけてきた」という一文がある。「この年齢になってようやく碑文に書かれている石見の魅力が分かってきた」と言う。

 懇意にしていた文芸評論家の江藤淳からこんな言葉をかけられたことがあった。「好きなことを全力でやることが人生のエネルギーになる」。演劇は人生のパワーの源だ。(水田道雄)

■いわまち・いさお 

1929年、浜田市生まれ、市内在住。九州大を卒業後、東京の新劇の劇団に入団。浜田に帰郷後は、高校教員となり、県立川本高校(現・島根中央高校)の校長などを務めた。現在、石央文化ホール顧問、石見郷土研究懇話会会長。2013年に瑞宝小綬章受章。

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