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12月11日朝日新聞デジタル朝刊記事一覧へ(朝5時更新)

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こどもの未来へ

東京)こどもの未来へ/GEMS

写真:本物のボタンで仲間分けを考える子どもたち=渋谷区 拡大本物のボタンで仲間分けを考える子どもたち=渋谷区

写真:ジャパンGEMSセンター研究員の鴨川光さん 拡大ジャパンGEMSセンター研究員の鴨川光さん

 ◆課題の解決 五感から考える

 ◇科学・数学の体験型プログラム

 GEMS(ジェムズ)。

 子どもたちを対象とした科学や数学の体験型プログラムだ。米カリフォルニア大バークリー校の付属機関で開発されてきた。

 昨年12月の日曜。渋谷区のビルの一室に、幼稚園から小学4年までの子どもたち10人と、その保護者が集まった。日本で体験会の開催や指導者の派遣などを行う「ジャパンGEMSセンター」の親子講座だ。

 マットの上に集まった子どもたちに、女性講師が読み聞かせを始めた。童話「なくしたボタン」。《がまくんとかえるくんはとおくへでかけました。(略)「うわぎのボタンを一つなくしちゃった」……》。

 途中で講師が質問する。「すずめさんが届けてくれたボタンの穴はいくつですか?」「かえるくんが見つけたボタンの大きさは?」。読み終えると「四角いボタンは何番目に見つけましたか?」――。

 ここまでは幼児教室や学校の授業でも見かける光景だ。

 ◆仲間と知恵絞る

 続いて、机の上に様々な色や形のおもちゃのボタンが置かれた。子どもたちと保護者が2チームずつに分かれ、ボタンを仲間分けするのが次の課題だ。子どもたちは「色で分けよう」「形の方がいい」と取り組み始めた。

 これに対し、父親チームは縦軸を色、横軸を形で分けて並べ始めた。色は光のスペクトル順、形は半径など公式で表しやすい順だ。父親の1人は「仕事も思考の分類ですから」。米国の大学院博士課程で学び、「イノベーションを起こす仕事」をしているという。コンサルタントをしているという別の父親も「顧客の求めることを頭で分類しないと仕事が進まない」と話した。

 すると、父親チームの分け方を見た子どもたちが、色や形ではない分け方を考え始めた。「穴の数で足し算ができるボタンとかない?」「かけ算ならできるよ」

 次は本物のボタンを使った分類だ。形も色も様々なたくさんのボタンが机の上に広げられた。男の子が自分のズボンのボタンホールに、ひとつずつ合わせ始めた。「ボタンが穴を通るかどうかで分ける」。別の女の子は、光沢のあるプラスチック▽つや消し▽木製▽ラメ入りなどで分けた。

 母親チームは縫い付けやすさで分けた。「分厚い布でも、これは大丈夫」「四角はやっぱりつけにくい」……。子どもも大人も独自の分け方を考えることに夢中になり、あっという間に2時間が過ぎた。

 与えられた課題を解決するために何をすべきか。実験方法を指定する従来の科学教室とは異なる内容に、保護者からも「面白い」との声があがった。小学2年の息子と参加した石渡裕美さんは「結果が予想できないようなことを考える教育の場がほしくて参加した」と話した。

 ◆自由な思考作業

 ジャパンGEMSセンターは親子講座のほかに、大人向けの講座や講師養成講座も各地で開いている。進学塾「日能研」はスタッフを講座で学ばせ、幼児や小学生の授業に採り入れている。センターには大学などから出前講座の依頼も相次ぎ、講座によってはキャンセル待ちの状態だという。

 「ここは塾でも学校でもありません。五感から考える楽しさを感じる場所」。センターの鴨川光研究員(28)はそう話す。「ボタンの仲間分けという簡単な課題でも、考えの違う人と自由な思考作業を繰り返すことで視野が広がる。それが未来の科学者や数学者の育成につながる」

 (宮坂麻子)

   *

 「こどもの未来へ」のこれまでの記事は、朝日新聞デジタル(http://t.asahi.com/j3mi)でご覧になれます。

 ■私の理想図 情報選択し新しいもの作る 鴨川光さん

 子どもたちが大人になる将来は、いま以上に情報があふれる時代です。いろんな情報や意見を取捨選択し、その中から自分の好きなものや自分に必要なものを見つける力、新しいものを創造する力が必要になる。ひとつではない答えを探求する教育が理想です。

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