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こどもの未来へ

東京)こどもの未来へ/東京農業大

写真:研究室でDNAに関する実験をする喜田聡教授(左後方)と学生たち=世田谷区 拡大研究室でDNAに関する実験をする喜田聡教授(左後方)と学生たち=世田谷区

写真:東京農業大の喜田聡教授=世田谷区 拡大東京農業大の喜田聡教授=世田谷区

 ◆脳の働き マウス使い研究

 とても怖い体験などが心の傷となり、そのことが繰り返し思い出されて恐怖を感じ続ける心的外傷後ストレス障害(PTSD)。東京農業大応用生物科学部バイオサイエンス学科の喜田聡教授(51)の研究室が、医学以外の分野からPTSDなどの治療に役立つ研究に取り組んでいる。

 小型の装置を頭に取りつけたマウス。光を当てて脳の神経細胞を活性化させたり抑制させたりすると、記憶にどんな影響を及ぼすのか――。

 ◆PTSDに重点

 喜田教授の研究室で光遺伝学を研究する博士1年の長葭大海(なが・よし・たい・かい)さん(25)が取り組むテーマだ。研究医を目指していた長葭さんは「ここでも医療に関わる研究はできる。病気の治療につながるような記憶のメカニズムを見つけ、社会の役に立ちたい」と話す。

 「脳の研究にはわからないことが多い」。喜田教授の研究室は、記憶のメカニズムの解明に取り組んでいる。「記憶は脳のどこにあって、膨大な情報がどのように整理されているのか。ビデオを再生するように、頭の中で記憶がよみがえるのはなぜか。そのメカニズムさえ、まだわかっていない」と喜田教授。

 特に力を入れるのが、PTSDを軽減する研究だ。発症のメカニズムや、記憶が薄れていく時の脳の仕組みを突き止めようと、マウスにストレスを与えたり記憶障害が出る状態をつくったりしながら、最新技術を駆使して脳を観察する。研究結果をもとに、人の治療に応用していくという。

 ◆24時間実験可能

 喜田教授は「農学の分野で脳の研究をすることは医学部にはない利点がある」と話す。「脳の研究では、いろいろな記憶のテストにマウスを使う。患者の治療も担う医師らと違い、農大なら24時間実験ができる。医学以外の分野で基礎研究を進め、医師らと連携していくことが重要だ」

 喜田教授によると、がんや成人病は医学部以外でも治療につながる研究が進められているが、PTSDやうつ病、統合失調症などの治療・予防の研究を支える基礎研究を医学部以外で行っている例は、日本の大学ではまだ少ないという。

 「基礎研究を頑張らなければ解決できない問題がたくさんある。脳の基礎研究に携わる人が増えれば、海外の研究機関との競争にも強くなれる」。喜田教授は研究の裾野を広げようと、高校生が対象の出張授業なども行っている。

 記憶障害のメカニズムを研究している修士2年の宮原瑞希さん(23)は、大学入学時は「脳の研究」について知らなかった。「まだ誰も解明していないことを、動物を使って調べられるのがおもしろい」。生物応用化学科から転科し、喜田教授の研究室に入った。将来めざすのは高校の生物教諭。宮原さんは「研究のおもしろさ、科学や生物の魅力などを伝えたい」と話す。

 研究室では、体に負担の少ないPTSDの治療の可能性を探るため、食品の成分と脳の働きの関係に着目した研究も行っている。食品系の会社に就職した学生も多いという。

 (斉藤純江)

   *

 ■私の理想図 精神疾患の解明に関心を 喜田聡教授

 技術開発などにより、ここ10年ほどで幅広い分野の研究者が脳の研究に参入するようになった。精神疾患の基礎研究は未知の領域に最初に携われるというやりがいがある。様々な病気の原因究明や治療にもつながる。ぜひ多くの学生や高校生に関心を持ってほしい。

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