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東京のほぉ〜言！！
もす
《意味》燃やす
《分布》関東・中部地方→２３区から衰退中
「もせるごみ」。神奈川県小田原市のごみ集積所にこんな表示がありました。可燃ごみのことです。現在では、主に関東周辺部のことばとなった「もす」。かつては東京でも盛んに使われ、明治の文学作品の中にもよく見られます。
１９８３年の調査では、都内全域のどの年齢層でも、過半数の人が使用していました。しかし最近の首都圏の大学生に対する調査では、２３区とそれに隣接する地域の使用率が１割以下となり、「聞いたことがない」との回答が過半数を占めています。「増える・増やす」「冷える・冷やす」と同様、「燃やす」ということばの方が「燃える」と対になりやすい表現なので、「燃す」を淘汰（とう・た）していったのでしょう。
多くの国語辞典に「燃す」は「燃やす」とともに記載されています。しかし最近では、「方言」「やや古い言い方」などの注を付ける辞書が増えました。東京での衰退に伴い、辞書の世界でも共通語の地位から退場しつつあるようです。
（三井はるみ・国立国語研究所助教）
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