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東京)変わる進学/開成高校長に聞く

写真:開成学園中学・高校の柳沢幸雄校長 拡大開成学園中学・高校の柳沢幸雄校長

 ■多様性のため高校入試継続 開成・柳沢幸雄校長に聞く

 中高一貫校でありながら、高校からも募集を続ける開成高校の柳沢幸雄校長に、理由を聞いた。

 ――今年の高校入試で受験者が113人減りました。高校入試は続けられますか。

 国立大付属など他校の入試日程の変更で併願パターンが変化した結果だと思う。はっきりしているのは、高校入試はやめないということです。

 教育で最も重要と考えるのは多様性です。中学と高校で入学した生徒が刺激しあうことは、両者にとって非常にプラスに働く。1学年400人のうち100人を高校から採るのも、1集団に25%以上同じグループがいれば少数派として埋没しないとされるからです。

 ――多様性とは。

 世帯給与収入400万円以下の生徒に、授業料を3年間無償給付する奨学金制度を作りました。入試前に採用候補者約10名を選び、合格すれば支給します。勉強したいという強い意志を持ったやる気のある生徒が加わることで、生徒集団が活性化しています。年々申請者が増え、採用候補者数も増やしています。また、海外からの帰国生も今年19人います。日本は減点主義ですが、アメリカは加点主義。異なる文化をお互いに知れば幅が広がる。あとは、遠隔地から下宿してくる生徒もいます。

 ――高校からの入学者は進学実績が低いように言われがちですが。

 全くそんなことはない。毎年の東大合格者の25%プラスマイナス2%は高校入学者。高1の1年間は高校入学組だけでクラスを作り、高2からは中学入学組と交じって刺激しあう。

 ――面倒見のいい学校が人気ですが、開成は。

 「教育」とは「教えて、育てる」のか「教えて、育む」のか。「教えて、育てる」は、教える側が主体で目標に向かわせるので、型にはまった教育になりやすい。「教えて、育む」は、鳥が卵を抱くように環境を作るだけ。あたためていれば、自らコツコツと殻を割って出てくる。開成の理念は後者です。基本的な知識と多様な環境だけ整える。そのうち、自分は○○で生きたいと言い出す。そうしたら関連した知識や詳しい人のところに連れて行けばいい。

 ――東大教授の経験から、中高で詰め込んだ都会の生徒は、大学で「燃え尽き組」になるというお話でしたが。

 その通り。東大の「受験生」を育てる教育はしない方がいい。むしろ、とがった人間を尊敬する文化が大切。得意なことはこっそりやらず、ひけらかす。人のとがった部分は認める。とがったものがある人間は人生安心です。例えば、サッカーオタクだったら、チームの経営、スポーツドクター、海外に行く選手の法律顧問……。いくらでも関連した職業はある。自分を見つけるために、多様な人間に囲まれる。それが高校時代に必要なんです。

(聞き手・宮坂麻子)

     *

 やなぎさわ・ゆきお 1947年生まれ。開成中学・高校出身。東大工学部卒。東大教授やハーバード大併任教授など歴任。シックハウス症候群研究の第一人者。2011年から現職。

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