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ぶらりふらり

神社で端麗 コスプレ発祥地 蒲田

写真:思い思いの衣装で撮影を楽しむ参加者ら=大田区の新田神社 拡大思い思いの衣装で撮影を楽しむ参加者ら=大田区の新田神社

写真:お気に入りのキャラクターになりきる参加者ら。おもちゃの刀などが迷惑にならないようルールを守り配慮しているという=大田区の新田神社 拡大お気に入りのキャラクターになりきる参加者ら。おもちゃの刀などが迷惑にならないようルールを守り配慮しているという=大田区の新田神社

写真:ユザワヤの「コスプレ 舞台衣装館」。豊富な品ぞろえでニーズに応えている=大田区 拡大ユザワヤの「コスプレ 舞台衣装館」。豊富な品ぞろえでニーズに応えている=大田区

 創建は1358年。蒲田駅から二駅目、武蔵新田駅をぶらりと歩くと、南北朝の武将・新田義興(よしおき)をまつる新田神社(東京都大田区矢口)がある。真夏のある土曜日、参拝客とは容姿が異なる若者たちが写真を撮り合っていた。

 目には緑や紫のカラーコンタクト。若草色の装束や白のマントをまとい、思い思いにポーズを決めている。「OTAはんというコスプレイベントです」。主催者の牛島えっさいさんが教えてくれた。

 町工場で知られる蒲田だが、コスプレ発祥の地とも言われる。舞台は1970年代後半の大田区産業会館。日本にも仮装文化はあったが、ここであった同人誌販売会でアニメのキャラクターなどに扮したのをコスプレと呼び始めたというのが通説だ。それから40年余り。今では世界に広まり、蒲田では神社で楽しめる時代になった。

 新田神社の宮司の理解もあり、イベントは昨年秋から原則月1回で開催。参加者は平均30人ほどで、一日1500円の参加費を払うと樹齢700年のご神木や神殿前など境内で自由に撮影できる。仲間と初めて参加した男性(22)は「スタジオと違ってすべてが本物。こんな写真はなかなか撮れない」。

 神社とコスプレの組み合わせはちょっと「異質」だが、地元の目線は温かい。近くに住む主婦の佐藤直子さん(46)は「最初は驚いたけど、何の格好かなと興味も出てきた。若い人たちが街を訪れてくれるのもうれしい」。主催者の牛島さんは「受け入れてくれた以上、後ろ指をさされるまねはできない。コスプレ文化に高めて街づくりにも貢献したい」と意気込む。

 コスプレファンたちはこの神社に限らず蒲田でよく開かれる同人誌販売会や商店街のイベントでも存在感を示している。そんな「コスプレの街」蒲田の底上げに一役買っているのが、蒲田発祥の手芸用品大手の「ユザワヤ」だ。

 蒲田駅南口に点在する店舗の中に、その名も「コスプレ 舞台衣装館」がある。コスプレ衣装のニーズの高まりを感じ、2年ほど前に看板を掲げた。光沢があるピンクや黄色のサテンや、しわになりにくいポリエステルツイルなど、衣装向けの生地を以前の2倍にした。売り上げも順調で蒲田店の2割を占める。

 SNSでの情報発信も積極的だ。「ユザワヤ衣装部」のツイッター名で、コスプレ関連を中心にちょっと使えるテクニックを投稿。夏でもひんやり感じる素材を紹介したところ、2千件以上のリツイートがあった。岡田哲朗マネジャーは「コスプレ未経験者もやってみたいと思える提案をしていきたい」と話す。

 大田区はローマ字で表記するとOTAKU。コスプレをはじめ蒲田駅周辺にはアニメ関連の店も多く何かとオタク文化と縁が深い。区議会定例会でコスプレの活用を呼びかけた経験もある荻野稔区議は「言葉が通じない外国人ともわかり合え、多様性の確保にもつながる」と期待を寄せる。

(向井宏樹)

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