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変わる進学

幅広い選択科目 総合高

写真:将来の夢や目標などを語る1年生の「ライフプラン発表会」=中央区の都立晴海総合高校 拡大将来の夢や目標などを語る1年生の「ライフプラン発表会」=中央区の都立晴海総合高校

写真: 拡大

 ■興味を突き詰める 晴海総合高

 中央区の運河に臨む湾岸地域にある都立晴海総合高校。同校を今春、卒業した3年の女子生徒は、この運河で捕まえたクラゲの生態を研究し、公立大に推薦で合格した。

 同校には、興味あるテーマを調査・研究して論文を書く「課題研究」がある。女子生徒は「受験勉強に必死になるより、興味あることを突き詰めたかった」と同校を選んだ。将来は研究者になりたいという。

 同校は1996年、都内初の総合学科高校として開校した。総合学科は、普通科、工業や商業などの専門学科と並ぶ学科で、幅広い選択科目の中から自分で科目選択することなどが特徴だ。3年の渡辺一誠(いっせい)さん(18)は語学に関心があり、英語の授業を多く取り、ドイツ語も学んだ。「学びたい分野の授業を重点的にとれた」と話す。今春、独協大学外国語学部ドイツ語学科に指定校推薦で合格した。

 一方で、選択の幅が広いだけに自主性が求められると、渡辺さんは指摘する。「どんな授業があるのか先生や先輩に聞くなど、自分から行動していくことが大切」と話す。

 将来を考えるキャリア教育を重視しているのも、総合学科の特徴だ。

 2月中旬、1年生全員が学ぶ科目「産業社会と人間」で「ライフプラン発表会」があった。「歴史が好きなので、面白さを伝える先生になりたい」「雑誌記者になりたいので、根気と勇気を身につけチャレンジしたい」……。関心あるテーマや将来にどうつなげたいかなどを発表した。

 庄司一也校長は「やりたいことや将来の目標を見つけ、学びを深められるのが総合学科」と話す。昨年度は約6割の生徒が大学や短大、約3割が専門学校に進学。大学進学者の75%が指定校を含めた推薦入試を利用した。「何のために大学に入るのか。普通科以上に考える機会が多いのが強み」と話す。

 「産業社会と人間」や「課題研究」のような独特の授業は、指導が手探りで手間もかかるため、指導に難しさを感じる教師もいるという。庄司校長は「教師には総合学科をおもしろがって、指導力を高めてほしい」と期待を込める。

 ■経験積む機会を作る 杉並総合高

 国際理解教育に力を入れる都立杉並総合高校(杉並区)では、女子生徒8人が昨夏、インドネシア郊外の児童養護施設に約3週間滞在した。2人は官民協働の海外留学支援制度「トビタテ!留学JAPAN 日本代表プログラム」で、ほかの6人は自費で、国際ボランティアNGOとの共同事業で訪れた。

 50人ほどの子が暮らす施設に泊まり込み、子どもたちと遊んだり、歯磨き指導や身体測定をしたり。2年の飯田寛実さん(17)は「最初は不安だったけれど、子どもたちに笑顔で迎えられ、身ぶり手ぶりで意思疎通できた。やり遂げたという自信になった」。2年の伊藤華さん(17)は「貧困のため夢をかなえるのが難しいと聞いた。将来はフェアトレードに関わる仕事に就いて、子どもたちを支援したい」と話す。

 国際交流担当の藤野明彦主任教諭は「中学時代、思うように自分を発揮できなかった生徒たちが『この学校なら何かできるんじゃないか』と入ってくる」と指摘する。勉強が苦手な生徒もいるが「やる気や行動力、体力、困難を乗り切る力は抜群」と評する。

 今年度はインドネシアのほか、米国や韓国、オーストラリアなどへ40人近くの生徒が留学やボランティアに出向いた。「トビタテ!留学JAPAN」には昨年度、国内最多の8人が合格。今年度も9人が合格した。

 若林直司校長は「これからの時代、多様な国の人と認め合い、尊重し合えることは大切」と言い、生徒が様々な経験を積む機会を作っているという。身近な国への理解を深めるため、17年度から、第2外国語(中国語か韓国語)を必修化する。「勢いがあったり、考えが深かったり個性的なリーダーが育っている。特色ある学校がもっと増えて、中学生が高校を選べるようになるといい」と話している。

 ■全国で設置増加、7校から369校に

 総合学科は1994年、生徒の多様なニーズに応える学校として始まった。文部科学省によると、総合学科を置く高校は当初、全国に7校だったが、2016年度は369校(全日制と定時制の合計)。都内には現在、全日制の総合学科高校は10校ある。不登校や中退を経験した生徒らを受け入れる都内5校のチャレンジスクールは、定時制の総合学科高校。

 普通科などに比べ、選択科目が多いのが特徴で、国語や理科などの普通科目から、工業や商業、情報や美術などの専門科目まで幅広く学べる。茶道や日本舞踊、介護演習、ビジネスマナーなどが選択できる学校もある。生徒が興味・関心や卒業後の進路希望に合わせて科目選択できるよう、相互に関連の深い科目をまとめた情報系列、国際文化系列、生活福祉系列などの科目群が設置されている。

 文科省の学校基本調査によると、15年度の総合学科の卒業生の進路は、大学などへの進学が36%、専門学校が28%、就職が27%となっている。

 (斉藤純江)

 

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