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変わる進学

英語「話す力」都立高入試でどう問う?

写真: 拡大

写真:都教委の瀧沢佳宏・国際教育推進担当課長 拡大都教委の瀧沢佳宏・国際教育推進担当課長

写真:根岸雅史・東京外国語大教授 拡大根岸雅史・東京外国語大教授

 新しい大学入学共通テストでは、2021年から英語の「読む・聞く・話す・書く」の4技能について、外部検定試験の併用が始まる。都立高校入試でも早ければ今の中1が受験する2020年から、「話す力」を問うスピーキングテストを導入する方針だ。どう問うのか。関係者2人に聞いた。

(聞き手・宮坂麻子)

 ■学習指導要領の範囲内で 瀧沢佳宏・都教委国際教育推進担当課長

 ――都立高校入試の「スピーキングテスト」のプレテストは早ければ現在の中1生から?

 最速ではそうです。ただあくまで想定で、では、現小6生から本格実施するのかと問われると、現段階では何とも言えない。

 ――大学入試では現中3生が受験する共通テストから外部検定が併用され、小5生から全面採用になるとされていますが、連動は?

 連動させる考えはありません。グローバルな人材を育てたい。中学で4技能を伸ばす授業を行うのだから、高校入学時にスピーキングも含めた4技能をきちんと測る必要がある。都独自の考えによるテストです。結果的に大学入試にもつながったわけですが。

 ――今の入試日程にスピーキングまで入れるのは無理という高校側の声も聞きます。日程と対象生は?

 時期はまだ決めていません。例えば、秋ごろにスピーキングテストだけ実施して、結果を入試に反映させるような形になれば、テスト実施段階では都立か私立か、進学か就職か決めていない生徒も受けることにはなり得ます。

 ――テスト形式は?

 対面も、コンピューターも一長一短ある。公立の中3約8万人のうち約5万人が都立高入試を受けます。公平な評価はもちろん、技術面でも、会場、問題の漏出防止、パソコンのトラブル対応など、様々な観点から検討する必要がある。

 ――都立高の受験料は現在2200円。島部や奥多摩の生徒が事前にテスト会場まで出るとなると、テスト料以外にも、交通費や時間的負担が増えるのでは

 受験生の負担については慎重に検討する必要があると考えています。そうした点からも実施は1回が限度かと考えています。

 ――英検3級程度のレベルと言われていますが、生徒間で差が大きいのでは?

 あくまでも中学の学習指導要領の範囲で力を測りたい。大阪府のように、英検準1級などレベルの高い生徒を外部検定の結果で読み替える入試制度とは違います。日比谷や西など自校作成問題の都立高校はもしかすると指標になりにくいかもしれない。ただ、その検討はまだ先。

 その前に、出題や形式、評価は点数か段階式か、ほかの3技能との配分など検討課題がたくさんある。まず、18年度は複数の公立中に協力してもらい、本番に近い形で検討したい。

 ■多様な能力が評価される 根岸雅史・東京外語大教授(英語教育学)

 ――都立高入試「英語検査改善検討委員会」の委員もされました。スピーキングテストで変わることは

 「英語ができる子」のイメージが変わる可能性があります。読み書き中心の試験では、スペリングや正確な表現など、知的で分析的な能力を持った生徒が「できる子」でした。

 一方、世の中で「英語ができる」とされる人たちは必ずしもそうではありません。逆に言うと世の中で「英語ができる」とされるはずの子たちが、入試や学校ではあまり評価されてこなかったとも言えます。過去の調査でも、読み書きで「できなかった子」がスピーキングテストで「できる子」になる例もありました。英語の能力が多面的に問われることで多様な子が評価されるようになります。

 ――スピーキングに偏って英語力が落ちる懸念は?

 基礎的な言語能力が十分にない中で、応用的なディベートなどだけをやるのは問題。ただ、現状の中学の指導の4技能のバランスは悪くないと思っています。むしろ、授業で聞いたり話したりしているのに、これまでの高校入試では問われなかった。今後、塾などで「話す入試対策」が模索されるでしょうが、例えば週1回、何十分か程度では力の伸びに限度がある。

 力のある教師が、学校の普段の授業で基礎を教え、生徒が話す機会を多く持てば、かなり力は伸びます。実は、生徒の優秀さや学校間格差より、指導の差が大きいのです。

 ――オンライン英会話を導入する市もあります。区市町村による格差は?

 導入頻度にもよるでしょうが、英語を母語とする教師とクラスの誰かが話すのを集団の中で聞くのと、1対1で自分のことを話すのでは、確実に後者の方が効果的でしょう。例えば、英語の授業にプラスして週5分、10分話すだけでも随分変わる。都が助成して、週に1回でも、各公立中でオンラインが実施できるのは理想ですね。

 ――新大学入試の外部検定は複数回ですが、都のスピーキングテストは1回

 出題難度をそろえて公平に評価することや、5万人が受ける物理的な課題も考えると複数回は難しい。現状の都立高入試の英語や国語も1回勝負なので、スピーキングだけなぜ複数回かという矛盾も出る。テスト形式も、理想は対面ですが実現性を考えればコンピューターでしょう。

 重要なのは都立高でどんな英語教育をするかです。入試は多面的な力が問われるのに、授業が訳読ばかりでは意味がない。国が大学入試を民間に委ねる中で、都独自のテストが成果を出せば、他県にも広がる可能性があります。

 ◆キーワード

 <都立高入試の英語スピーキングテスト> 

グローバル社会で活躍する人材育成について検討してきた都教委の有識者会議「都英語教育戦略会議」が2016年9月の報告書で提言。これを受けて17年12月、都立高等学校入学者選抜英語検査改善検討委員会が、民間団体と都教委が協力して独自のスピーキングテストを作り、受験者が1回だけ受ける仕組みや、18年度の試行調査をした上で19年度以降にプレテストから実施する方針を示した。

 ■大阪府立高校入試の英語外部検定との連動

TOEFLiBT IELTS  英検    読み替え得点率

60点      6     準1級    100%

50点      5.5   (対応なし)  90%

40点      5      2級     80%

 ※大阪府教委資料から。英検2級取得者の場合、入試当日の英語の配点の80%の点数に読み替え可。当日の得点と比べて良い方で合否が判断される。

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