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変わる進学

英語4技能、どう学ぶ?

写真:中学や高校の入試会場前で配られていた「英語4技能」などをうたった講座のパンフレット 拡大中学や高校の入試会場前で配られていた「英語4技能」などをうたった講座のパンフレット

写真:ブリティッシュカウンシルのマット・バーニー駐日代表 拡大ブリティッシュカウンシルのマット・バーニー駐日代表

受験シーズンが終わって卒業式と思いきや、すでに新学年の塾選びが始まっている。特に中高生の塾選びで様変わりしてきているのが、新しい大学入試で「読む・聞く・話す・書く」の4技能が問われる英語。外部検定対策か、スピーキング重視か、多読か……。塾説明会はどこも盛況だ。

 ■「長文」増え塾は多読に力

 2月の土曜日。都心にある進学塾の新中1向けの説明会は、新しい大学入学共通テストの解説から始まった。「英語は4技能が問われます」「今の中3から外部検定と大学入試センターの試験の併用に」「一つ下の学年からは全て外部検定になる可能性も」……。

 参加した保護者からは「これまで何もしてこなかったから焦る。とりあえず英検から始めようか」と声がもれる。

 2020年度からの小学校の新学習指導要領の全面実施に向け、すでに学校現場では英語の授業が行われている。ただ、小学校の授業だけでの英検取得は容易ではない。一方で、家庭や英会話スクールなどで学んだ子、中高一貫校の受験生には英検2級を取得するような子もいて、中学入学前から英語力の差がある。

 リンガ・ランゲージ・スタジオ(千代田区)の説明会では、難関国立大2次試験と難関私大の問題が保護者に配布された。「皆さんの時代との違いわかりますか?」。3ページを超える長文が複数。問題文も英文。膨大なリスニング。和訳や文法はわずか……。佐藤正人代表は「一文ずつ文法を考え、頭の中で訳しては追いつかない。中1から英語のまま理解し英語で考える学習が必要だ」とオールイングリッシュの授業の意義を強調する。

 多くの英文を読むことで学ぶ「多読」を採り入れているSEG(新宿区)でも、春期講習の新中1クラスは、増設するほど多くの生徒が集まっている。ほかの進学塾の担当者は言う。「先取りで学ばせたがる親はこれまでも一定数いたが、大学入試改革への心配か、ここ1、2年は中1、高1の入塾問い合わせが急増している。ますます家庭の経済力の差が出る」

 ■広がるネット学習

 ネット上での英語学習も広がっている。

 聖光学院(横浜市)や豊島岡女子学園(豊島区)など、全国約90の中学、高校などで採用されている「レアジョブ」のオンライン英会話は、中高生会員が、この1年で1・5倍になった。広報担当者は「大学入試改革の影響が大きい。中学・高校での導入も大学を抜く勢いになっている」と話す。

 英語4技能に加えて「考える」も学べる塾をうたう「JPREP斉藤塾」(目黒区)は、塾内の授業に加え、生徒がスマートフォンやタブレット端末、パソコンなどに専用アプリを導入し、発音、リスニング、スピーキングなどを自宅で学習。スピーキング練習の動画を送信すれば、発音矯正などの指導をしてくれる。

 駿台も、4月から全国の校舎に通う高校生に、スマホなどでいつでもどこでも繰り返し学習できる「駿台生eラーニングシステムPLATON(プラトン)」を無料でスタートする。ほぼ週1回新しい問題が配信され、コンピューターでの出題や回答に慣れることができるほか、4技能を問う英検などの外部検定の各種の特徴と対策まで学習できるシステムも盛り込まれているという。

 一方、外部検定対策に力を入れる必要はないという声も上がり始めている。

 国立大学協会は2月に外部検定の配点を最大でも英語全体の1割弱に抑えるイメージ案を作成した。現状の大学入試センター試験の英語筆記は200点。仮に1割とすると20点だ。

 河合塾教育イノベーション本部の近藤治副本部長は「難関ほど2次試験の比率が高く、センター試験との合計点も大きくなる。大学や入試形態によって異なるが東大など難関はセンターと2次を合わせ、満点は2千点程度。外部検定分は全体の1%程度にしかならない」と言う。出願資格や2段階選抜への利用も想定されるが、それほど高いレベルに設定しないとみる。「どんな外部検定を何のために受けるのか。英語を何のために学ぶのか。入試のためか、留学か、職業か。そこから考えた方がいい」

(宮坂麻子)

 ■より多く話す機会を持って ブリティッシュ・カウンシル駐日代表、マット・バーニーさん

 1992年に英語講師として来日し、愛知県下山村(現豊田市)の学校で教えていました。当時の日本の英語教育は教科書の文章を繰り返し読み、訳すばかりでした。ところが先日訪問した都内の公立中の授業は、生徒同士がその場で考えた意見を英語でやりとりしていました。以前とは全く違う、まさに「生きている英語」です。日本も変わってきたと感じています。

 英国の国際文化交流団体「ブリティッシュ・カウンシル」では現在、2019年の大学入試に向け東京外国語大と協力して、国立大の2次試験を想定したスピーキングテストを開発しています。スピーキング力とは何か。英文音読ではスピーキング力とは言えません。質問に答えられるだけでもだめ。相手の意見を理解し、自分で考えて質問し、話を深められる力です。開発しているのはコンピューターのテストですが、採点は機械ではありません。自然なコミュニケーション力をトレーニングを受けた採点官が評価する予定です。

 私自身も日本語を学び、8年間いた中国では中国語を学びました。単語や表現を覚えて、読み書きできるようにする基礎力はもちろん大切。でも、本当に力が伸びるのは、基礎力に加えてたくさん話す機会を持つことです。学校でも少人数でやりとりする機会を多く設けてほしい。そして何のために英語を学び、教えるのかをぜひ考えてほしい。

 英国でも、学校の試験のためだけに仏語を学び、嫌いになった人はたくさんいます。新大学入試の外部検定が話題ですが、「入試のため」の検定対策でいいのか。話せる喜びを知り、その力を人生にどう生かすかが見えれば、学ぶ意欲はわきます。

 英語は家庭環境による格差が大きいとされますが、それは他教科も同じ。塾に通った子が必ずしも上達するとは限らない。うまく動機付けできる教師がいれば生徒の力は伸びます。オンラインや対面を問わず、様々な方法を混ぜて学んでみてください。

(聞き手・宮坂麻子)

 

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