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変わる進学

「首都圏地方の大学」加速

写真:進学相談会の法政大のブースで説明を聞く高校生ら=静岡市のツインメッセ静岡 拡大進学相談会の法政大のブースで説明を聞く高校生ら=静岡市のツインメッセ静岡

 ◆地方学生の取り込み探る

 ◇主要大、1都3県出身者多数

 首都圏の主要大学に、首都圏出身の学生が多くを占める現象が加速している。今年度入試の合格者のうち、東京、神奈川、千葉、埼玉の1都3県出身の高校生の割合は、東大で約6割、一橋大で約7割で、東工大、早稲田大、慶応大は7割を超えるという。いわば「首都圏地方大学」となりつつあり、大学側は地方からの学生も取り込めるよう、改革を進めている。

 JR静岡駅から車で10分ほどの「ツインメッセ静岡」(静岡市)で5日に開かれた進学相談会。今年度入試の実志願者数が明治大に次ぐ全国2位になった法政大も、地元大学に混ざり相談ブースを構えていた。

 「静岡は比較的東京に近く、地方の中では多く受験してくれるので期待できる」と法政大入学センターの担当者。大学通信の調査によれば、首都圏1都3県の高校出身者は合格者の7割以上。10年前と比べて約15ポイント増えているという。

 近年、できるだけ多様な学生を確保するために様々な改革を進めてきた。

 全国10都市で同日に行う「T日程入試」、英検やTOEFLなど外部試験で基準を満たせば1科目受験するだけで済む「英語外部試験利用入試」、全国約700会場で行われる大学入試センター試験の得点のみで合否を判断する「センター試験利用入試」。今年度も、北海道から沖縄まで170回以上の進学相談会に参加し、地方生にも負担が少ない入試をPRする。

 ブースを訪れた静岡県内の高3の女子生徒は「英検の結果で受けられる入試はありますか?」と尋ねた。「学部によっては、英検などと国語か数学の1科目受験だけでいい入試もあり、T日程入試と併願もできます」と進学アドバイザーが説明する。「留学制度が充実しているので法政に」と相談に来る生徒もいる一方、「東京は物価が高いので……」と遠巻きに見ている生徒も。高3の息子がいる母親(45)は「周りをみても、今は親より本人たちの方が家に近い大学がいいと言うみたい。東京は物価が高いイメージで魅力が落ちているのか、東京より横浜がいいという声も聞きますよ」と話す。

 法政大入学センターの菊池克仁センター長は「首都圏の生徒が増える流れに、正直もう歯止めが効かないのが現状だ。交通が便利になり東京も近い存在になっていて、以前のように、若いころには一度東京へ出て……という東京へのあこがれなどの意識が薄くなっているのかもしれない。さらに入学定員の厳格化の影響で入試が難化しているので、受けても受からないとあきらめてしまう生徒もいるようだ」と頭を悩ます。

 ■国公私立を問わぬ改革 新共通テスト利用・地域枠の拡大…

 地方の優秀な学生を取り込もうという改革は、国公私立を問わず進んでいる。

 早稲田大は7日、新大学入学共通テストが始まる2021年度入試からの大幅な改革を発表した。

 人気の高い政治経済学部の一般入試では200点満点のうち、新共通テストの外国語、国語、数学I・Aと選択1科目の4科目を各25点計100点に換算。残りの100点の3割程度は英語外部検定試験の結果を換算し、あとは独自試験は日本語と英語の長文に図表なども交えた大問2問の1科目で問う。スポーツ科学部や国際教養学部も新共通テストを重視した一般入試をするという。全国で受験できる新共通テストや英語外部検定試験の利用を増やすことで、地方も含めた国公立大の志願者層を取り込もうという狙いだ。

 次の19年度入試では、18年度から始めた地域連携型の新思考入試を、法学部にも拡大。教育学部は、自己推薦入試定員50人を廃止し、地方の高校も指定する指定校推薦入試を定員190人まで増やす。「地方の優秀な学生に来てもらい多様性を確保したい」と担当者は話す。

 慶応大も、地域ブロック枠を設けた「FIT入試」を、法学部で12年度から行っている。各地域ブロックで学科ごとに1人ずつ、合格者に年額30万円の給付型特別奨学金を支給する。また、この10年間で六つの寮を新設し、計八つの学生寮も整えた。横浜国立大も、今年度から進学相談会を、近畿、中国、九州で増やす。

 大学通信の安田賢治常務は「東京の大学に出てきても、就職は地元に戻れる道筋をつけないと地方生は集まらない時代だ」とみる。問題はどう就職につなげるか。「地方の自治体や企業と連携し、生涯親元で幸せに暮らしたいという学生に対して、東京で一度学べば地元で就職できるルートを確立する。もしくは米国のようにまず地元で学び、やりたい職業が見つかったら東京の大学にも転学できるシステムを大学全体で作る必要があるかもしれない」

 (宮坂麻子)

 

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