メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

07月23日朝日新聞デジタル朝刊記事一覧へ(朝5時更新)

新着記事一覧へ

このエントリーをはてなブックマークに追加
mixiチェック

凸凹の輝く教育

ディスレクシア専門の英語塾「もじこ塾」

写真:「もじこ塾」を主宰する成田あゆみさん。生徒が聞き書きした英単語のつづりを丁寧にチェックする=東京都渋谷区 拡大「もじこ塾」を主宰する成田あゆみさん。生徒が聞き書きした英単語のつづりを丁寧にチェックする=東京都渋谷区

◆学習障害、苦手と向き合う

 学習障害の一つに、読み書きが苦手なディスレクシアがある。東京都渋谷区の「もじこ塾」は、そうした中学生から大学生が通う英語塾だ。子どもたちは英語の学習と向き合う中で、それぞれで異なる特性を知り、自身の心のうちの理解も深めている。

 英文が並ぶプリントの上に、半透明のピンク色のシートを敷いて読む。都内の私立高3年の男子生徒(17)が、英文読解の時にする工夫だ。白い紙に黒い文字だとぼやけて見える文字が、シートを通すと見えやすく映るという。3月からここに通い、初めて知った方法だ。

 ディスレクシアの症状は一般に、文字を速く、滑らかに、正確に読み書きすることが難しいとされている。だが特性や度合いはそれぞれ。行間が狭いと読み飛ばす、読めても意味が取れない、「b」と「d」などの似た文字の書き分けが難しい……。同塾に通う40人も一人ひとり異なる。

 授業では、カードを使って発音から英単語を覚えさせるゲームなどを集団でしつつ、読み書きは個人の習熟度に合わせて進める。成田あゆみ代表(48)は「子どもたちは、学校とは違う個々の方法でなら学べる。苦労しながらも『分かった!』と感じてもらえる指導を心がけている」と話す。

 自身の「クセ」を知り、向き合うことも大きな一歩になる。この男子生徒もその途上にある。

 自身がディスレクシアと知ったのは昨秋。体調不良で行った病院から、専門機関の受診を勧められた。以前から違和感はあり、特に中学からの英語は明らかだった。授業の板書がインクがにじんだように映って読みづらく、単語のつづりは何度書いても覚えられない。テストのたびに教科書を丸暗記して挑んだが、学年が上がるにつれて通用しなくなった。

 ふとした時に感じていた「みんなと何か違う」の理由は分かったが、いざ受け入れるとなると難しかった。釈然としない思いは拭い切れていない。ただ、春からは学校に合理的配慮を自ら申し出た。板書をタブレット端末で撮ったり、テストは拡大した問題用紙にしてもらったり。クラスメートにも見づらさについて慎重に伝えた。「自分に合った形で学びたい」。悩みながらも、よりよい未来をつくる道を選んだ。

 今年は受験生。塾では悩みを口にしながら、短文問題から取り組む。志望する大学で社会福祉や心理を学び、同じ境遇にある人を支えたいからだ。「そんな将来を考えると、もしかしたら今の自分の状況は財産なのかもしれない」

(横川結香)

PR情報

ここから広告です

PR注目情報

東京総局からのお知らせ

東京総局では、都内の最新のニュース、企画、特集などをお届けしています。
身の回りで起きたちょっといい話をメールで「東京取材班」あてにお寄せください。メールはこちらから

朝日新聞 東京総局 公式ツイッター

注目コンテンツ

  • 写真

    【&w】カカドゥの不思議な野鳥たち

    ノーザンテリトリー〈PR〉

  • 写真

    【&TRAVEL】遊び心満載の豪華客船

    船上でサーフィン?〈PR〉

  • 写真

    【&M】廃虚の朽ち果てていく美しさ

    「変わる廃墟展 2019」

  • 写真

    【&w】劇場鑑賞券を3組6名様に

    「&w」読者プレゼント

  • 写真

    好書好日旅するように異国料理を作る

    宮崎あおいさん初の料理本

  • 写真

    WEBRONZAカーシェア急拡大

    今日の編集長おすすめ記事

  • 写真

    アエラスタイルマガジンこれぞ手軽な手土産の大本命

    手土産に縁起のよい「虎家喜」

  • 写真

    T JAPAN未来を変えるコスメ 第2回

    全米で話題の「CBDオイル」

  • 写真

    GLOBE+注目は年齢差だけではない

    マクロン大統領夫人の実像

  • 写真

    sippo絶滅の危機に瀕するトラ

    生態は猫とほぼ同じ

  • 働き方・就活

  • 転職情報 朝日求人ウェブ