メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

07月16日朝日新聞デジタル朝刊記事一覧へ(朝5時更新)

新着記事一覧へ

このエントリーをはてなブックマークに追加
mixiチェック

凸凹の輝く教育

「合理的配慮」を考える(5)

写真:専用の眼鏡を外し、「『あ』はグルグル巻きに、『お』はちゃんと見える」と話すここみさん=東京都中央区 拡大専用の眼鏡を外し、「『あ』はグルグル巻きに、『お』はちゃんと見える」と話すここみさん=東京都中央区

 ◆指定席は蛍光灯のない所

 幼いころからよく転んだ。車や電柱に何度もぶつかりそうになった。縄跳びは大嫌い。縦書きが苦手で、漢字テストも……。

 都内の公立小5年のここみさん(11)が、「アーレンシンドローム」と診断されたのは昨年12月だった。光による視知覚過敏とされ、色が識別できなかったり対象が二重に見えたり、動いたりする。視覚情報がうまく処理できないため、学習障害にもつながることがある。

 診断のきっかけは、小4の2学期。学校でのトラブルで登校をしぶり、自宅で国語の教科書を音読していたところ、母親が「あれ、ちゃんと見えている?」と違和感を覚えた。

 国立病院の予約を入れたが、3カ月待ち。読み書き障害の支援をする「ハイブリッド・キッズ・アカデミー」(東京都中央区)を知り、東大が開発した遠隔評価キット「URAWSS(ウラウス)」を使って調べ、病院では読みも書きも「小2程度」と言われた。

 母がそれ以上に驚いたのは、診断を終え、専用の眼鏡をかけたここみさんの言葉。「お母さんの顔って緑じゃなかったんだ。もっと細くて、目も点で、グニャグニャの顔だと思ってた」

 日光の強さによって見え方が変わるので、「天気がいい日は、地面も空もグニャグニャしている」。縦書きは曲がって見え、「上から下へまっすぐ」の概念がわからない。ひらがなやカタカナも、文字や字体によって重なったり、曲がったり。みんなの赤はここみさんに見える青、緑はここみさんの銀色だった。

 小さい記号は3D映像のように、手前に迫ってよく見えることもあり、視力検査はいつも「2.0」。でも、大きい記号は遠くぼやける。幼い頃から周囲のいう言葉を、自分なりに頭の中で変換していたので、低学年まで成績は良かった。

 学校に配慮を求めると、タブレット端末の持ち込み、黒板の撮影、デジタル教科書の使用、色つきの下敷きをプリントにかぶせるなどを認めてくれた。同学年の子に対しては、先生から困難さを説明してもらった。「私の指定席は、廊下側の後ろの、天井に蛍光灯のない席」とここみさんは話す。

 「学校から本当に様々な配慮をいただいたことによって、ここみの学習意欲が高まって、感謝しています」と母。その結果、ここみさんは、いま、中学受験を考え始めている。入試にも配慮などの課題はあるが頑張ってみるつもりだ。

(宮坂麻子)

PR情報

ここから広告です

PR注目情報

東京総局からのお知らせ

東京総局では、都内の最新のニュース、企画、特集などをお届けしています。
身の回りで起きたちょっといい話をメールで「東京取材班」あてにお寄せください。メールはこちらから

朝日新聞 東京総局 公式ツイッター

注目コンテンツ

  • 写真

    【&w】カカドゥの不思議な野鳥たち

    ノーザンテリトリー〈PR〉

  • 写真

    【&TRAVEL】遊び心満載の豪華客船

    船上でサーフィン?〈PR〉

  • 写真

    【&M】廃虚の朽ち果てていく美しさ

    「変わる廃墟展 2019」

  • 写真

    【&w】劇場鑑賞券を3組6名様に

    「&w」読者プレゼント

  • 写真

    好書好日旅するように異国料理を作る

    宮崎あおいさん初の料理本

  • 写真

    WEBRONZAカーシェア急拡大

    今日の編集長おすすめ記事

  • 写真

    アエラスタイルマガジンこれぞ手軽な手土産の大本命

    手土産に縁起のよい「虎家喜」

  • 写真

    T JAPAN未来を変えるコスメ 第2回

    全米で話題の「CBDオイル」

  • 写真

    GLOBE+注目は年齢差だけではない

    マクロン大統領夫人の実像

  • 写真

    sippo絶滅の危機に瀕するトラ

    生態は猫とほぼ同じ

  • 働き方・就活

  • 転職情報 朝日求人ウェブ