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変わる進学

将来見据え、寮ある地方校へ

写真:11月中旬、JR横浜駅前で開かれた全国私立寮制学校協議会主催の合同相談会=横浜市 拡大11月中旬、JR横浜駅前で開かれた全国私立寮制学校協議会主催の合同相談会=横浜市

 寮がある地方の私立中学・高校で、首都圏からの入学者が増えているという。負担は増えるが、将来につながる学校に入れたい。夜遅くまで1人で家にいるくらいなら、集団生活の方がいい――。背景には、首都圏の保護者の意識と家庭環境が見え隠れする。

(宮坂麻子)

 ■系列大へ進学の期待

 2010年春に開校した早稲田佐賀中高(佐賀県唐津市)は、大隈重信ゆかりの地で、グローバルとローカルの双方から人間力を育てると打ち出す。大隈の幼名にちなんだ寮「八太郎館」もあり、中高生の6割以上が暮らす。

 今年は中学で120人の定員に対し、志願者は約1300人。前年の約1・7倍だった。特に、首都圏会場の志願者は600人を超え前年の2倍以上。その結果、入学者の約半数は首都圏の小学校の卒業生になった。寮生の中学生も、半数以上は首都圏の生徒だ。

 入試広報部は「志願者が増えるのはうれしいが、これ以上首都圏からの生徒が増えたら、寮に入りきれない」と話す。地元にも考慮し、19年度入試からは首都圏・名古屋で合わせて「定員40人」と枠を設けた。

 人気の理由の一つは、高3の約半数が早稲田大に進学できること。「大規模私立大の定員厳格化と入試改革で、大学受験に不安を抱いた首都圏の保護者が、早くから系属の学校に入れようと判断した影響が大きいのでは」と同部はみる。

 高3のうち約40人が早大に進学する早稲田摂陵中高(大阪府茨木市)も、18年度の中学入試は約580人が首都圏入試で志願した。前年から約230人の増加で、総志願者の約9割に。寮生の半数程度が関東出身生だ。「希望者の約3分の2が早大に進学する。関東での広報活動の効果と、大学入試改革の影響が大きい」と担当者は話す。

 息子が両校の受験を考えている神奈川県の女性は「首都圏の早稲田の付属・系属校も受験するけれど、人気なので受かるかどうか。寮生活でも、定員が絞られる大学受験よりはいい」と話した。

 ■週末には帰宅も可能

 不二聖心女子学院(静岡県裾野市)も人気が上がっている。志願者総数は、この3年で約1・6倍になり、首都圏生は約2倍に。寄宿舎に住む生徒の割合は以前4割程度だったが、今年は5割を超えた。

 同校は卒業生の約6割が聖心女子大へ、1割以上が上智大へ進学する。また、都内の聖心女子学院が数年前から小中高一貫の「444制」を導入し、原則として中学の一般入試をやめたことも志願者数増に影響しているとみられる。不合格だった子が不二聖心に再受験する例もあるという。

 「理由はいろいろ考えられるが、寄宿生が週末は自宅に帰ることができることなどが周知されたことも大きい」と同校の担当者は話す。「週末に帰宅できるのなら、という家庭もある。逆に静岡県内から進学する生徒は、少子化や経済的な面もあってか減少傾向にある」という。

 ■「集団生活で成長を」

 大学受験を考え、寮のある学校を選ぶ生徒もいる。

 全国私立寮制学校協議会が11月に東京や横浜で主催し、約20校が参加した合同相談会では、佐久長聖中高(長野県佐久市)のブースに長蛇の列ができた。

 同校は「進学校とグローバル」を打ち出し、丁寧な進路指導に力を入れる。米国のコミュニティースクールや国内有名大との連携、海外進学も模索中だ。15年度に約940人だった東京入試の志願者は、18年度には2千人を超えた。渋谷教育学園渋谷中高から4年前に転職し、改革を進める佐藤康校長(62)は「首都圏の保護者は情報に敏感。学校が魅力を発信できれば、寮でも生徒は集まる」と話す。

 息子の進学先を求めて相談会に参加した母親は「夫婦ともに働いていて、息子が1人で家にいる時間が長い。集団生活で成長し、勉強もみてもらえるならいいのではないかと思って来てみた」と話した。

 相談会の幹事を務めた沖縄尚学の與座宏章・副理事長補佐(57)によると、首都圏の保護者は「費用がかかっても、自分の子にあった学校を」という思いが強い。「沖縄尚学でも首都圏生が増えている。首都圏の生徒を集めることは、どの学校にとっても今後は重要になるのでは」と話した。

 ■(POINT!)寮生活できるか、慎重に判断を

 寮のある私立中高の人気の理由を、森上教育研究所の森上展安代表に聞いた。

     ◇

 人気が高まる理由の一つは、有名大学につながる学校や子どもにあう教育なら、遠くても構わないという教育熱です。もう一つは、医師や経営者として働く母親や、ひとり親家庭が増えていること。首都圏には、「忙しくて子育てする時間は取れないけれど、子どもにいい教育は受けさせたい」という人が集まっています。

 寮のある私立に通わせるには、年間200万円前後が必要ですが、それだけ払っても思春期に生活も勉強も面倒をみてくれる学校はありがたいようです。少子化で苦しい学校側も、首都圏の裕福な家庭をターゲットに説明会や入試をしています。ただ、中学受験なら入学時は12歳。寮生活ができる子かどうか、慎重に判断してください。

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