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凸凹の輝く教育

ツール(3)トーキングゲーム

写真:「トーキングゲーム」で、カードをめくった人の話を、じっと聴く子どもたち=東京都葛飾区亀有 拡大「トーキングゲーム」で、カードをめくった人の話を、じっと聴く子どもたち=東京都葛飾区亀有

 ◆「聞いてもらう」が安心感に

 「好きな料理は何?」「いま一番会ってみたい人は?」「20歳になったら、何をしたい?」

 トランプのようなカードを順番にめくり、書いてある質問に答える、その名も「トーキングゲーム」。ルールは一つ。質問に答えている人の話を聞くことだ。

 カードの質問に対しては、何を答えても良いので、本当のことでなくてもかまわない。カードは全部で64枚あるが、答えたくない場合には「パス」もできる。

 発達が気になる子の支援を放課後などに行う民間施設「LDサポート・療育 ソラアルSSE」(東京都葛飾区亀有)では通ってくる子どもたちと一緒に、大人もトーキングゲームに加わる。「学校の勉強で何がきらい?」という質問に対しては、昔の失敗談を披露して笑いが起きた。答えから思わぬ方向に会話が広がり始め、みんながなごんでくる。

 「苦手なことはなに?」というカードに、「自分の気持ちをあまり伝えられない」とぼそりと答えた子がいた。ただ、ゲームを続けていくうちに、「いままでで一番うれしかったことは?」との質問があたり、「えっと、四つぐらいあって」と切り出し、ゲーム機を買ってもらったなど思い出を次々と語り始めた。

 葛飾区の松本知也さん(14)は「思っていなかったような答えが出てきて、知らなかった自分を発見するので面白い」と話す。ソラアルの河高康子取締役(46)は「ゲームが終わったあと、子ども同士の関係がとても良くなる。自分のことばかり暴走気味にしゃべっていた子も、落ち着いてくる」と評価する。

 製作している「トビラコ」(東京都大田区東雪谷)は、療育のための道具を手がけている。トーキングゲームは、平野佳代子社長(62)が特別支援教室で使っていた、手作りのカードを製品化した内容だ。

 心理学的にいえば、話を聞く「傾聴」と心を開いて話す「自己開示」を促すゲームだ。話を聞いてもらえる体験が積み重なると、心に安心感ができる。そうすると、「自分も人の話を聞こう」という気持ちが自然と生まれる。

 カウンセリングと違って遊びなので、子どもが喜んで取り組む。大人も自分の失敗談やダメな部分を面白く話すと、子どもが自分のことを話しやすくなるという。自閉症の子どもが、うまく言葉が出るようになったという事例もある。平野さんは「人は不安だと攻撃的になりやすいが、安心感があれば変われる。遊びながら、聞いてもらえる心地よさや安心感を与え合える」と話す。

 税込みで2700円。問い合わせはトビラコ(03・6425・6912)まで。

 (平岡妙子)

 

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