メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

07月20日朝日新聞デジタル朝刊記事一覧へ(朝5時更新)

新着記事一覧へ

このエントリーをはてなブックマークに追加
mixiチェック

凸凹の輝く教育

ツール(7)きもち日記

写真:男子生徒が使っている、「きもち日記」がインストールされた端末=学校提供 拡大男子生徒が使っている、「きもち日記」がインストールされた端末=学校提供

 ◆感情を共有 適切な指導へ

 3月下旬の午前。川崎市の特別支援学校の教室で、中1の男子生徒(13)が「日記」づくりに取り組んでいた。

 日記につけようとしていたのは、数日前、課外学習で近くのスーパーマーケットで買い物した時の様子。タブレット端末で、富士通が開発したソフト「きもち日記」を起動させ、入力を始めた。

「ぼく」が「みんな」と「お店」で「買い物をしました」……。あらかじめ決まっている選択肢から順番に選び、最後に入力するのが、その時の感情。男子生徒は少し迷いながら「すき」のボタンを押した。理由を聞くと「ちょっと楽しかったから」と答えた。

 きもち日記は、発達障害や知的障害などがある子どもが、出来事や感じたことを日記形式でつづる支援ツールだ。日記にすることで、自分の気持ちや状況を説明するのが苦手な子でも表現しやすくなる。感情の項目では「楽しい」「うれしい」だけでなく、「きらい」「いやだ」といったマイナスの気持ちを含め、12種類から選ぶことができ、それぞれ1〜5の度合いで強さを示すこともできる。

 男子生徒は昨年6月に始めたが、「最初はイライラした」。感情を人に伝えるのが苦手で、特に「困った」「疲れた」といった気持ちを口にするのが難しいという。日記をつけるにも、どの気持ちを選べばよいかわからない。担任教員に「どうすればいいの?」と聞いたり、「楽しい」を選んだりするばかりだった。

 ただ、回数を重ねるうちに変化が見えてきた。避難訓練は「嫌でした」。運動は「少し疲れました」――。次第に表現の幅が広がり、今では作文機能も使えるようになった。同校の教頭(55)は「自分の状態を振り返ってみることは、感情を知ることに結びつく。私たちも感情を把握することができ、より良いコミュニケーションが出来ていると感じる」と話す。

 生徒の感情を共有することは、指導にも役立つ。共同研究者の坂井聡・香川大教授(特別支援教育)は「感情を表に出すことが難しい子どもが、教室の席替えが嫌で暴れた後、騒いだ理由をきもち日記に書いたところ、先生にも思いが伝わって適切な指導ができ、子どもの行動が落ち着いたという例もある」と話す。きもち日記は特別支援学校を対象に販売しており、1万円から。

 (横川結香)

PR情報

ここから広告です

PR注目情報

東京総局からのお知らせ

東京総局では、都内の最新のニュース、企画、特集などをお届けしています。
身の回りで起きたちょっといい話をメールで「東京取材班」あてにお寄せください。メールはこちらから

朝日新聞 東京総局 公式ツイッター

注目コンテンツ

  • 写真

    【&w】カカドゥの不思議な野鳥たち

    ノーザンテリトリー〈PR〉

  • 写真

    【&TRAVEL】遊び心満載の豪華客船

    船上でサーフィン?〈PR〉

  • 写真

    【&M】廃虚の朽ち果てていく美しさ

    「変わる廃墟展 2019」

  • 写真

    【&w】劇場鑑賞券を3組6名様に

    「&w」読者プレゼント

  • 写真

    好書好日旅するように異国料理を作る

    宮崎あおいさん初の料理本

  • 写真

    WEBRONZAカーシェア急拡大

    今日の編集長おすすめ記事

  • 写真

    アエラスタイルマガジンこれぞ手軽な手土産の大本命

    手土産に縁起のよい「虎家喜」

  • 写真

    T JAPAN未来を変えるコスメ 第2回

    全米で話題の「CBDオイル」

  • 写真

    GLOBE+注目は年齢差だけではない

    マクロン大統領夫人の実像

  • 写真

    sippo絶滅の危機に瀕するトラ

    生態は猫とほぼ同じ

  • 働き方・就活

  • 転職情報 朝日求人ウェブ