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変わる進学

大学系属・付属校 開設ラッシュ

写真:朝の礼拝を行う浦和ルーテル学院中学の生徒たち=さいたま市緑区 拡大朝の礼拝を行う浦和ルーテル学院中学の生徒たち=さいたま市緑区

 大学の系属・付属校となる私立中高が増えている。少子化が進むなか、大学との結びつきを作ることで、人気が急上昇している学校もあり、「安心感」を得たい保護者が敏感に反応しているようだ。

 (平岡妙子)

 ■青学大と連携 中学出願3倍に

 浦和ルーテル学院(さいたま市緑区)はこの4月から、青山学院大(東京都渋谷区)の系属校となった。

 小学校と中学・高校がある浦和ルーテル学院は少人数教育などが特徴で、大学の進学実績も上げている。一方、「人気をさらに高めるため」、大学と連携することは以前から模索していた。今後は青学大との関係を深め、この春に小学校に入学した子どもが高校卒業を迎える2030年度からは、希望者が全員、青学大への推薦入学が出来ることを目指している。それまでは経過措置として、徐々に推薦入学枠を拡大することを検討している。

 昨年7月に大学と協定を締結すると、影響は顕著だった。校内のチャペルで開いた学校説明会は、定員230人があっという間に埋まり、中学は25人の募集に対して307人と、昨年の3倍以上の受験生が出願。小学校の受験者数も2倍以上に増えた。同学院の福島宏政校長(64)は、「青学とはキリスト教の精神が一致している。大学進学の出口ばかりが注目されるが、英語カリキュラムや大学のゼミ体験などによって教育の充実というメリットも大きい」と話す。

 青山学院横浜英和(横浜市南区)も16年に青学大の系属校となり、18年に共学化した。松村誠教頭(44)は「定員割れしていた時代もあったが、共学化を含めて時代の流れに乗っている。男子は2割だが、全体的に活発になって明るい雰囲気になった」と語る。

 大学側にとってもメリットがある。青学大は1年生の入学定員が約4千人で、青山学院高等部から進学する約300人を除くと外部から入ってくる。青学大の阪本浩副学長(64)は「指定校推薦の枠もあるが、毎年揺れ動きがある。系属校からは、大学の建学精神に沿った学生が確実に来るため、学内のリーダー的存在になってもらいたい」と期待する。

 青学大は09年には横須賀学院(神奈川県横須賀市)、16年には静岡英和女学院(静岡市葵区)とも教育提携校の関係を結び、推薦で進学する枠を設けている。

 ■日大効果 関係校と交流に期待

 日出中高(目黒区)は4月から、日本大の付属校となり、校名も「目黒日本大中高」に変えた。理事らに日大出身者が多く、中高側から大学に話を持ちかけたという。日大の付属となった効果は大きく、今年の中学出願者数は677人。前年比4・5倍以上にふくれあがり、試験問題の難易度も上げた。

 日大は付属校の生徒向けの独自のテストを実施しており、生徒はこれを受けて日大に進学することができる。目黒日大高では特進クラスも設け、日大の合格を持ちながら、国公立大などの受験を目指すことも可能にする。全国に広がる、日大の他の付属中高との交流を通じて、スポーツ大会などが充実し、教員のつながりも増えることを期待しているという。

 井原渉校長(73)は「付属になったことで、想定以上の期待の高さがあり、責任の重さを実感している。生徒は自分に合う学校を選ぶようになってきている。多様な価値観へと変わる時代に、教育の中身を充実させたい」と語る。

 ■中大・東洋大も続々

 付属や系属の中学・高校を設ける大学は他にもある。中央大学は10年度から、大学初となる付属中学を東京都小金井市に設けた。また、横浜山手女子中高は同大と法人合併し、共学化して13年度から中央大付属横浜中高(横浜市都筑区)となった。

 茨城県牛久市にある東洋大学付属牛久高は15年4月から中学校を開設した。定員70人に満たない年度もあるが、同校は「地域の強い要望もあって開校した。千葉県からの通学者だけでなく、東京からの入学者が地元に引っ越した事例もある。今後の拡大に期待したい」としている。

 ■(POINT!)子どもを安心させたい保護者も

 大学の付属・系属校が増えている背景について、教育情報会社「大学通信」の安田賢治常務に聞いた。

 ◇

 大手私立大は定員管理の厳格化を文部科学省から求められ、合格することが難しくなっています。その影響もあり、大学に進学することができる系属校にも人気が集まっています。偏差値的には低めだった私立校も、大学の付属や系属となった途端、人気が出ます。

 付属・系属校が増えることで、大学側も安定的に優秀な学生を確保できます。指定校の推薦制度は、人数も学校も毎年変わるため、不安定要素が多い。最近は付属・系属校だけでなく、「教育連携」という形も増えています。関係を結ぶことで、数十人単位の枠の生徒の推薦を確保できますが、緩やかな形なので、大学側が求める学生の質が担保されない場合、解除できるのが特徴です。

 付属・系属校の人気の背景には、高望みをせず、子どもを早く安心させたい保護者の存在もあります。しかし、早めに安定だけ手に入れようとするよりも、子どもの能力を信じて挑戦させる態度も必要ではないでしょうか。

 (聞き手・平岡妙子)

 

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