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凸凹の輝く教育

ツール(8)ドロップトーク

写真:ドロップトークがインストールされたタブレットの画面を見せながら、男子生徒と話す教員 拡大ドロップトークがインストールされたタブレットの画面を見せながら、男子生徒と話す教員

 ◆シンボル組み合わせ会話 

 神奈川県立平塚養護学校高等部2年の男子生徒(17)は重度の脳性マヒで、普段は電動車いすで行動する。会話を理解することはできるが、自ら意思を伝えることが難しい。

 そこで、日々の授業で取り入れているのが、タブレット端末で使えるアプリ「DropTalk(ドロップトーク)」だ。話し言葉でのコミュニケーションが苦手で、自閉症や言語障害を持つ人を支援するために開発された。物や動きなどを表したシンボル(イラスト)を組み合わせ、文章を表現することができ、音声として読み上げることもできる。

 ある日の授業。学年主任の児山卓史教諭(43)が差し出したタブレットの画面には、お菓子の写真と1〜3の数字、両手のイラストが映る。男子生徒は迷いながら画像を指で押すと、「チョコ」「みっつ」「ください」の音声が流れた。「おっ。やっぱりお菓子だからいっぱい食べたいんだな」。児山教諭が笑いながらチョコレートを三つ渡すと、男子生徒はうれしそうにほおばった。

 最近はドロップトークを使い、朝の会の司会進行にも挑戦している。あらかじめ出席確認などの項目を設定し、操作すると音声付きで進めてくれる。これまでは隣にいる教員の助けを借りていたが、ドロップトークを使ってからは一人で進められるようになった。

 ドロップトークは、カメラで撮影した画像を取り込んで、オリジナルの素材を作る機能などもあり、様々な場面で活用できる。児山教諭は「できることが増えたことで、本人から意欲の高まりも感じる」と語る。

 発案・企画をしたのは、元長野県稲荷山養護学校教諭で国立特別支援教育総合研究所主任研究員の青木高光さん(51)らでつくる「ドロップレット・プロジェクト」。アプリ制作会社「HMDT」(文京区)がプログラミングを担当した。「降りる」「下る」といった意味を持つドロップには、「支援する側が目線を合わせて語り合おう」という意味が込められている。

 青木さんは「自分で意図を伝えることが苦手な子どもたちに、少しでもいいから話す経験や心の自信をつけてもらいたい」と話す。「道具さえあればいいわけではない。子どもたちの『やりたい』という気持ちを保証する環境づくりも、支援をする上での大切な要素になる」と指摘する。

 アプリは無料版と、機能が増える有料版(3千円から)があり、それぞれアップル、グーグル、マイクロソフトからダウンロードできる。

 (横川結香)

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