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変わる進学

海外の寮制学校へ留学希望増

写真:ブリティッシュ・カウンシルで行われた、ボーディングスクールの説明会=新宿区 拡大ブリティッシュ・カウンシルで行われた、ボーディングスクールの説明会=新宿区

 子どもを海外の寮制学校「ボーディングスクール」に留学させる保護者が増えている。海外の大学への進学や、英語力を早く身につけることなどを希望しているためで、小中学生のうちから留学させる例もある。国内でも、似たような全寮制の学校を開く動きが出ている。

 (大賀有紀子、平岡妙子)

 ■国際感覚の習得 小中学生も

 3月25日、新宿区のブリティッシュ・カウンシル(BC)で開かれた「英国留学フェア」には400人を超す親子や学生が集まった。BCは英国の公的な国際文化交流機関で、年に2回ほど、こうしたフェアを開いている。

 小中学生ほどの子どもの姿が目立ったのは、ボーディングスクールのブース。BCによると、昨秋のフェアには過去最多の10校、今回は9校がブースを設けた。BCコミュニケーションズ部長の西野道代さんは「ボーディングスクールの入学希望者が増えると同時に、若年化も進んでいるという感覚がある」と話す。

 ボーディングスクールは、原則として大学などに進む前の生徒が学ぶ、寮制の学校。英国は全国に公私立で500校以上あり、歴史が長い伝統校や、有名大学への進学実績を上げている学校も多い。最近は各国からの留学生を積極的に受け入れており、BCによると2017年から18年にかけては、2万8千人以上の留学生が英国のボーディングスクールで学んだ。

 小学6年生の長女(11)と一緒にフェアに参加した女性は(45)はブースをいくつか回った。「日本でもグローバル教育を強化する学校は増えてきているが、まだまだ選択肢が少ない。国際感覚を身につけさせるなら、海外で徹底的にやらせたい」と語り、中学3年生からの留学を考えている。長女はすでに英検2級を取得したという。

 中高一貫校に通っていた男子(15)は高校への内部進学を辞退し、9月からボーディングスクールへの進学を考えている。「定期テストのための勉強や、一方的な詰め込み型の勉強が合わなかった」という。一緒に参加した母親(44)も「グローバル化が進み、息子が日本以外で学ぶことに抵抗はない。寮制なら、生活面もきちんと見てくれるし、ホームステイより安心感がある」と話した。

 ■勉強・生活に自主性

 期間を決めて、ボーディングスクールに留学するケースもある。大阪府堺市の小川暁子さん(48)は長女の和佳音(わかね)さん(14)を今年1月末から、ニュージーランドのボーディングスクールに留学させている。英語は中学まで勉強していなかったが、このままでは「4技能」が求められる大学入試に対応できないと思い、留学を決めた。和佳音さんは医学部志望のため、なるべく早く英語力を身につけ、帰国してから受験勉強をしたいと考えている。

 10連休を使って現地を訪れた小川さんは「たくましくなっていた。勉強も生活も自主性が身についている」と娘の成長を感じた。

 小5の時、米国のボーディングスクールに1年間留学した都内の会社員の赤部楽子(もとこ)さん(23)は、早くから学んだことで質の高い英語が身についたという。赤部さんは「英語もわからずに苦労したけれど、どんな環境でも生きていける強さが身についたのは、留学での体験のおかげ」と話す。

 ボーディングスクールの課題の一つは、費用の高さだ。留学支援会社「EDICM(エディクム)」によると、英国や米国では年間で500万円以上かかることもあり、比較的安価なニュージーランドでも私立高は約400万円かかる。それでも、寮生活の安全性や規律、少人数教育などを魅力に感じて説明会に来る人が多いという。

 同社の柏倉眞紀子代表取締役(60)は、「多様な国の人と一緒に規律から学問、人間関係まですべてが学べる。ただ、日本語が弱くなるなどデメリットもある」と話す。

 ■国内でも開校の動き

 国内でも全寮制の学校ができている。18年4月に石川県で開校した国際高等専門学校はエンジニアの養成が目標で、カリキュラムは5年間。1、2年目は同県白山市の寮に住みながら理系科目を中心に英語で学び、3年目はニュージーランドへ留学。4、5年目は金沢工業大の学生とともに研究活動を行う。

 定員は1学年45人で、現在は1年生が13人、2年生が12人。授業料は寮費も含めて年間約300万円。同校企画部・松尾多郎次長(64)は「世界の最先端で競争できる能力を身につけるためには、英語で学ぶ力がいる。既存の教育システムと違う形が必要だが、認知度が低いことが課題だ」と話す。

 神石インターナショナルスクールは全寮制の小学校として来年4月、広島県神石高原町で開校するため、県教委に認可を申請中だ。海外のボーディングスクールへ進学できる英語力やコミュニケーション能力の育成を目指すという。

 ■(POINT!)長い目で家庭で計画を

 ボーディングスクールへの留学希望者の増加について、サピックス・代ゼミグループの高宮敏郎共同代表(44)に聞いた。

 ◇

 ボーディングスクールの説明会を3年前から開催していますが、参加者は年々低年齢化し、昨年は小4の家族が最多でした。大学入試改革で英語4技能が重視されていることや、欧米の大学に入学したい高校生の増加と関連があります。

 留学経験はとても大きな財産になります。ただ、どの時期に行くべきかは、人それぞれです。小中学生で留学し、そのまま外国の大学を卒業するという考え方がありますが、日本人としてのアイデンティティーをどう保つのかという課題もあります。大切なのは、家庭の考え方を統一することです。子どもの性格を考え、親子でよく話し合い、長い目で計画を立ててください。

 (聞き手・平岡妙子)

 

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