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凸凹の輝く教育

ツール(14)スマイルノート

写真:「スマイルノート」に文字を入力する男子生徒=東京都文京区春日1丁目 拡大「スマイルノート」に文字を入力する男子生徒=東京都文京区春日1丁目

 ◆人前で表現する喜び応援

 タブレットを操作すると、小さなキュウリの写真が現れた。隣には「子供のきゅうりさんも、おおきくなりました、やっぱりかっこいいです」の文字が並ぶ。

 知的な障害のある子どもたちが通う東京都文京区の筑波大学付属大塚特別支援学校。高等部3年の男子生徒(17)がアプリを呼び出し、校舎の屋上で栽培しているキュウリの観察日記を慣れた手つきで書き始めた。

 このアプリは、画面を指でなぞって文字やイラストを描いたり、写真や動画を簡単に入力したりできるプレゼンテーションアプリ「スマイルノート」だ。音声の録音や写真の撮影、スライドショーの機能もあり、人前で発言するのが苦手な生徒も、調べたことを大勢の前でわかりやすく伝えられる。

 男子生徒は自閉症スペクトラム障害があり、不慣れな相手と話し言葉でコミュニケーションをとることがあまり得意ではない。だが、高等部に進んでスマイルノートを本格的に使い始めると、文章をつくったり動画を撮影したりして自分の思いを積極的に表現でき

るようになった。

 「ムービーを作って編集するのが楽しい。みんなの前で発表したいんだ」。教室に戻った生徒がそう言うと、担任の原田薫教諭(27)は「この文字を枠に入れてみようか」と声をかけた。生徒がすぐに指を動かして完成させると、2人はハイタッチして喜んだ。

 生徒が書いたキュウリの観察日記を見た母親(50)は「こんな人間味のある表現ができるんだ」と驚いた。「7〜8分程度で1人でできるという点が良い」

 スマイルノートはアプリなどを開発する会社のユニティ(大阪市西区)と大塚特別支援学校が共同で開発した。きっかけは2016年5月、教育関連の展示会で石飛了一教諭(45)がユニティのブースを訪ねたこと。「知的障害のある子どもたちが自由に自己表現できるアプリがほしい」。石飛さんの思いを聞いたユニティの山下優之さん(51)は、デモ版を作り、毎月上京して放課後に打ち合わせを重ねた。

 機能の優先順位をつけて、ボタンの配置や大きさを細かく調整して使いやすさを追求。17年5月に商品化した。生徒たちは修学旅行の旅日記を作って一日の出来事をまとめたり、気持ちを言葉にして録音したりし、共感し合うことができたという。

 主幹教諭の中村晋さん(52)は特別支援教育におけるICT(情報通信技術)の重要性を強調する。「困難なことをどう補うか、工夫が必要だ。その一つがICT。スマイルノートは子どもたちの様々な表現を助ける手段になっている」と話す。

 (小林太一)

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