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変わる進学

中高生へサマースクール多彩

写真:オールイングリッシュで「SDGs」について考える参加者=長野県の白馬インターナショナルスクール 拡大オールイングリッシュで「SDGs」について考える参加者=長野県の白馬インターナショナルスクール

 SDGsや平和学習、地域づくり……。この夏、テーマを設けて発展的で深い学びをするサマースクールが、中高生向けに多く開かれている。大学進学やその先の生き方を模索する参加者に、進路のヒントを提供するプログラムが人気だ。

 (宮坂麻子、国米あなんだ、横川結香)

 ■SDGsテーマ 人間力磨く

 「Is there a garden at your school?(あなたの学校に庭はありますか?)」

 野菜などを育てる大きな菜園がある都内の小学校の写真を見せながら、講師が問う。「僕の学校はビルだからない」「僕の学校にはある」……。中高生ら15人がオールイングリッシュで議論を始めた。7月、長野県白馬村の白馬インターナショナルスクールが企画した、6泊7日のサマースクールの授業のひとコマだ。

 テーマは「SDGs」。2015年の国連サミットで採択された2030年までの「持続可能な開発目標」で、17のグローバル目標について一つ一つ事例を挙げながら議論していく。

 22年夏に開校予定のこの全寮制中高一貫校の柱が、「SDGs」なのだ。「ただのグローバルではなく、地球環境も社会も、サステイナブルな世界に作りあげていく人間を育てたい」と設立準備財団の草本朋子代表理事(49)は言う。

 東大卒業後、モルガンスタンレーなど大手外資系投資会社に勤務。出産を機に、オーストラリア人の夫と10年前から白馬に移り住んだ。ヤフー元会長の宮坂学さんや元サッカー日本代表チーム監督の岡田武史さんらの協力を得て、学校を設立することにした。

 17年から始めた春・夏のスクールは人気だ。英語ができなくても参加したいという声が高まり、今年は初めて8月に日本語と英語を交えたサマースクールを中高生向けに開くことにした。参加費は13〜20万円だが、地元の長野県立の白馬高校の生徒も含めてすでに定員が埋まっている。「白馬の自然に囲まれながら、英語力だけでなく、人間としての考え方も磨いてほしい」と草本さんは話す。

 ■「平和」学び語り合う

 教育事業を展開する「HLAB」(目黒区)は7月22日から10日間、米国の高校生12人と日本の高校生15人が参加する合宿形式のサマースクールを開催した。参加者は広島市の広島平和記念資料館など3都市を訪れ、「平和」について学んで語り合った。

 29日は、渋谷区の施設で、元駐米大使と防衛省職員から日米外交や安全保障についての講義を受けた。その後、「各国との関係維持に私たちができることは?」といった議題で話し合い、「互いの文化を学ぶ」「他国の製品を買って貿易を支援する」などと英語で次々に意見を述べた。

 高校3年生の松元まりあさん(18)は「いろんな価値観や意見を交わすことができて刺激的」と話す。大学受験では国際関係の学部をめざしていて、「行政や民間企業、色んな形で国際社会にアプローチできると気づいた。進学後に学びたいことが明確になった」。

 HLABは11年から高校生向けにサマースクールを開催している。日米の大学生や社会人が講師役などで参加し、国籍や地域、学校の枠を超えて共同生活をしながら共に学び合う。今回のプログラムは参加費27万円で、選考で英語の課題を設けたが、応募が定員の3倍以上になるほど人気だった。この他にも、東京都や徳島県などを拠点にしたプログラムがあり、昨年は高校生240人が参加した。

 いずれも共通言語は英語だが、共同創設者の高田修太さん(29)は「多様な意見や、留学を含めた進路、職業を知り吸収する場。将来の目標や共にめざす仲間を見つける機会にしてほしい」と話す。

 ■大学で未来を構想

 大学を「学び場」に、普段とは違う体験を味わう機会もある。

 慶応大湘南藤沢キャンパス(神奈川県藤沢市)で20、21日にある、高校生が対象の「未来構想キャンプ」は、同キャンパスにある総合政策学部と環境情報学部の学びを通して将来の社会を考える内容だ。例年、定員に対し5〜6倍の応募があり、選考を通過した参加者が教授や大学生のサポートを受けながら、議論や演習を重ねる。

 テーマは避難訓練の改善や、地域の場づくり研究、ロボット製作、スマートフォンを駆使しての映像制作など多岐にわたる。いずれも今後の社会のあり方を創造する、未来志向の学びだ。企画を統括する高汐一紀教授は「毎年、予想しなかったアイデアがどんどん生まれている」。この参加経験から同大への入学を希望する学生もいるという。

 プログラミング教室「Life is Tech!」(港区)も、東京大や早稲田大など大学のキャンパスでのサマーキャンプを30日まで開催している。海外で英オックスフォード大やシンガポール国立大の学生と交流できる宿泊型プランも含め、ほとんどのコースが満員だ。担当者は「非日常やワクワク感を醸成すると同時に、進路選択について考えてもらう機会にもしている」と狙いを話す。

 ■今夏開催のサマースクール

・BEGINプログラム(大分県別府市、高校生対象) 立命館アジア太平洋大学を会場に、グローバル人材育成を目的にしたワークショップなど。

・エアロスペーススクール(東京都内や北海道など、高校生対象) 各地の宇宙航空研究開発機構の事業所を会場に宇宙について学ぶ。

・サンゴ礁サイエンスキャンプin喜界島 アドバンスドコース(鹿児島県喜界町、高校生対象) サンゴ礁の研究者とともにサンゴ礁を研究する。

・テイク・アクション・キャンプ・ジャパン(静岡県御殿場市、小学5年生から高校生対象) 貧困といった社会問題を学び、ボランティア活動に参加する。

・小松サマースクール(石川県小松市など、高校生対象) 国内外から参加する高校生、大学生が英語での交流や文化体験をする。

・Katsuiku Academy(東京都西東京市など、中高生対象) 留学などをテーマにディスカッションや発表を行う。

 *いずれも今年の募集は終了しているが、来年も開催予定。

 

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