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変わる進学

英検申し込み開始 対応は様々

写真:英語の民間試験の案内や、共通IDの発行申し込み案内 拡大英語の民間試験の案内や、共通IDの発行申し込み案内

 2020年度から始まる大学入学共通テストに活用される、英語の民間試験の一つ「英検S―CBT」の事前申し込みが、18日から始まった。だが、英検に限らず会場や日程は未公表が多く、各大学の活用の全容も見えない。さらに、全国高校長協会が「延期」を申し入れるなど「不透明づくし」の現状で、生徒はどう動けばいいのか。首都圏の進学校の対応も様々だ。

 (宮坂麻子、横川結香)

 ■進学校「10月まで様子見」

 「焦ってすぐに申し込む必要はない。10月まで状況を見て」。神奈川県の公立進学校の校長は、英検の予約受け付け前から、高2生にそう伝えている。先が読めない上、全国高校長協会が申し入れた延期にも、期待がかかる。

 首都圏では、中学時代に従来型の英検などを受けた生徒も多く、高校になってGTECや英検CBT、ケンブリッジ英検などを受けた生徒も少なくない。「いざとなれば結果を元に『CEFRのA2以上』と証明を書けば済む大学もある」と校長。大学で短期留学を考えている生徒からは、TOEFLやIELTSを受けたいという声もある。

 心配なのは、東工大や筑波大、早稲田大など、民間試験で加点もある大学を受験する生徒と、来夏から出願が始まる総合型選抜(現AO入試)や学校推薦型選抜(現推薦入試)を受ける生徒だ。「6月ごろまでに本当に受けられるのか」

 東京、神奈川、千葉、埼玉の主だった公立進学校に聞いたところ、同様に「10月まで様子見」は少なくない。

 「私立も含めて大学は使うのかどうか、どう使うのかを早く公表してほしい」(東京都立)、「会場が足りるかなど実施に向けた具体的な問題が未解決なまま進んでいることに大きな不安を感じている」(埼玉県立)、「情報が整っていない。生徒や保護者からの質問に回答できず、特に今の2年生がふびんだ」(神奈川県立)と不満は相次ぐ。

 一方、都立日比谷高校は夏休み前の7月下旬、早々に高2生の保護者に「英検を推奨する」という手紙を配布した。同校では、高1に英検IBAを、高1と高2にはケンブリッジ英検を全員に実施している。「英検は、高校での学習内容に沿っている。出題レベルも採点も含め、本校の生徒の力を十分に発揮するのに適切と判断した」と武内彰校長は言う。

 英検は、例えば予約申し込みで準2級を申し込んでも、来年2月の本申し込みで2級に変更できる。本番で2級合格に届かなくても、準2級に達する力があればその結果が大学に提供される。わずかではあるが受検料の減免制度もある。

 同校では、各大学の活用状況を見てどの民間試験を受けるかは生徒に任せるとしているが、「受けようと思った時、出願資格がないことが怖い。慣れた英検で早く確実な資格やスコアを取って、あとは受験勉強に専念する方がいい」。

 武内校長は「環境も整っておらず、地域格差などの課題があることは承知しているが、グローバルな社会で生きていく生徒たちのことを考えれば、改革の方向性は間違っていない。ただ、ロードマップの描き方に問題がある。目の前の生徒たちを困惑させたくはない」と話す。

 ■試験慣れ促す大手塾

 首都圏の進学校では、入試改革に関係なく、これまでも英語の民間試験を導入してきた高校が少なくない。都立西、国立、八王子東、神奈川県立横浜翠嵐、湘南、県立千葉など多くの高校はGTEC(学校向けアセスメント版を含む)を高1から実施。県立浦和第一女子はTEAPを高3が任意で受検している。

 自治体も民間試験を奨励する。東京都教委は「グローバル10」に指定された10校には1学年分1人1万5千円上限の補助を、「英語教育推進校」40校には1学年1人6千円上限の補助を出す。神奈川県教委も3年前から補助を出している。

 塾でも民間試験を採り入れている。

 河合塾では、高1、高2の塾生に対して、昨年度からケンブリッジ英語検定を年1回必須としている。高1でA2、高2でB1レベルと段階的に受験してもらい、高3の本番時までに英語4技能の力をバランスよく身につけさせることが目的だ。広報担当者は「ケンブリッジ英検は、日本の学習指導要領との親和性が高く、日ごろの学習成果の確認に適しており、4技能の育成につながる」と言う。

 来年度以降も、高1、高2の必須受検を継続する予定だ。

 Z会東大進学教室も、高2以下の本科生に対し、年1回無償でケンブリッジ英検の受検を実施している。

 受検した都内の高2の男子生徒は「受けたことのある人と初めての人では、やはり差が出ると思う。国が大学入試改革をすると決めたのなら、塾とか学校に関係なく、全国の高校生が高2で1回、高3で2回、無料で受検できるよう費用を出してほしい」と話した。

 ■(POINT!)安全志向、国公立大離れも

 2021年度の新大学入試の風景はどう変わるのか。「大学通信」の安田賢治常務に聞いた。

     ◇

 東京五輪・パラリンピックも重なる来年、全国約54万人の受験生の英語民間試験の受け皿が、きちんと整うのか。これまで大学入試センター試験や、英語の民間試験を利用した入試枠を設けてきた私立大の多くも様子見の状況です。「大学入試英語成績提供システム」は使わず、従来通り「過去2年間の民間試験の結果の提出」で認める大学も出てくるのではないでしょうか。

 東大のように出願資格にする国立大を受ける生徒は、求められるレベルも高くないので、受検さえできれば問題ない。加点する大学や、総合型選抜で共通テストの結果を活用する大学を受ける生徒の方が深刻で、そうした大学や入試を避けることもあり得る。

 定員の厳格化の影響もあり、今年の入試でも、現高3の模試でも、より確実な方向に流れる傾向ははっきり出ています。高2も、共通テスト自体を受験せず、私大3教科型などわかりやすい入試に流れる可能性は高い。国公立大離れも進むのではないでしょうか。

 (聞き手・宮坂麻子)

 

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