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07月09日朝日新聞デジタル朝刊記事一覧へ(朝5時更新)

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変わる進学

付属・系列高も英語新試験導入

 2020年度に行われる大学入学共通テストに使われる英語4技能の民間試験をめぐって、各大学がどう活用するかなど不透明な状況が続いている。そんな中、大学付属や系列の高校でも、新たな民間試験を導入する動きが出ていることが、朝日新聞社が主だった付属や系列の高校に実施したアンケートでわかった。

 (宮坂麻子、横川結香)

 ■ケンブリッジ英検一本化も

 中央大杉並高(杉並区)では9月末の日曜日、高1全員がケンブリッジ英検を受ける。11月の祝日には高2全員も。大学入試改革なども踏まえ、今年度から始める取り組みだ。

 これまでも、従来型の英検を年2回、TOEIC IP(団体向け)を年1回、校内実施してきた。高1、高2は任意だが、高3のTOEICは必須。卒業生の9割以上が内部進学する中央大の学部決定には、英検やTOEICの結果が加点される。だが、今年度の高1からケンブリッジ英検に一本化することにした。外部の大学を受験する生徒にも高3時のスコアが活用できればという。

 「元々4技能の英語教育をしてきたが、大学から英語4技能のスコアも求められるようになった。ケンブリッジは世界標準の検定であり、進学校でも多く採用されていることから判断した」と梅田洋一教頭は説明する。

 中央大高(文京区)も、高3全員に課していたTEAPを今年度から高2以上全員にし、内部進学には英検とTEAPを使う。「英検に出題が似ているということで採用した」という。

 早稲田高(新宿区)は、GTECを課す。これまで、内部進学の判断にTOEFL ITPのスコアを使っていた。担当教諭は「TOEFLは継続予定。ただ、4技能の試験も必要ということで生徒や家庭の経済的負担を考慮し、GTECも入れた」という。早稲田大高等学院(練馬区)でも、今年度GTECが行われ、受検した生徒は「TOEFL ITPと比べれば簡単だった」と話す。

 卒業生の約1割が早大に進学する早稲田摂陵高(大阪府茨木市)も、今年度からGTECを全員に年2回受検させる。外部大への進学を見据えてのことで、現高2は英検S―CBTの予約をさせた。担当者は「生徒それぞれに、どちらの試験が自分に向いているか見極めてもらう」。

 関西の有名私大の系列の高校もGTECを導入した。「新しい成績提供システムにともなって、外部大学の受験を考えている生徒の選択肢を広げるため」と担当者は話す。

 ■大学進学後を見据え

 大学入学共通テストには使われないTOEICなどを課す高校も少なくない。

 立教池袋高(豊島区)は、従来型の英検を高1〜高3に任意で実施。年1回のGTECを全員受検させ、TOEIC IPも高3で全員に課す。これまで大学入学後のクラス分けにTOEICが使われていたからだ。「GTECと比べると語彙(ごい)など難しいので、高3のみにしている」と英語科教諭。留学を考える生徒にも配慮し、TOEFLジュニアも任意で行う。GTECは受検料負担はないがTOEIC(約3千円)などは生徒負担だ。

 立教新座高(埼玉県新座市)も、高2、高3にはTOEIC IPを全員に課し、TOEFL ITPも任意で行う。同志社女子高(京都市)も、内部進学の一部に必要となるため、高2、高3の全員がTOEIC IPを受検。南山国際高(愛知県豊田市)も高2全員にTOEFL ITPを校内で行う。

 明治大付属明治高(調布市)も、高2に年2回、高3に3回、TOEIC IPを校内受検させる。内部進学の基準はTOEIC450点以上、英検2級以上。内部進学の内定を持って国立や他の私大を受けられる制度もあり、1割程度が挑戦する。「国立大や早慶をめざす生徒にも、内部進学者にも対応できるよう民間試験は考えなければならない。早くいろんなことを決めて欲しい」と担当教諭。

 実施団体によれば、就職の際、TOEICのスコアを求める企業が多く、導入大学が増えているという。

 ■(POINT!)格差懸念 公立への支援必要

 私立中高一貫校の英語民間試験の実施状況についての調査も行った、森上教育研究所の森上展安代表に導入の動きについて聞いた。

     ◇

 英語力、特に聞く、話すの2技能は、都市部と地方、私立と公立での格差が広がっているように感じています。

 家庭環境の違いも大きいですが、高校受験のない中高一貫校、大学受験のない付属や系列の高校では、英語学習に費やす時間が多くなっている。今回のアンケートでも、高校生になるとTOEFLやTOEICを課す学校が少なくないように、大学入学後も見据え、海外体験などとからめて英語の必要性を教えます。

 一方で、中堅以下の大学の付属や系列の高校では、外部大学の受験を勧める傾向があります。こうした学校では、民間試験でスコアを上げることにも早くから取り組ませます。昨今の大学入試では英語力の差が大きく影響するからです。

 公私や地域の格差がこれ以上広がらないよう、入試にこだわらず、大学進学しない生徒も含めて、学校教育だけで英語力をつける方法の開発が急務ではないでしょうか。

 (聞き手・宮坂麻子)

 

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